おしゃれのために老若男女と、誰でも抵抗なく髪を染める時代になってきています。増加の原因は、危険な化学物質が含有されていることを知らないまま、若者を中心に染毛剤を使用する機会が増えてきているためといわれ、挙句の果てに小児やペットまで染毛してしまうお母さんや女性が多くいます。パーマよりヘアカラーの需要が高い今、染毛剤(ヘアカラー)は、非常に髪が傷むことはよく知られています。髪が傷んでもいいから髪の色を変えたい、というのは個人の自由です。ですが、染毛剤(ヘアカラー)は単に髪が傷むというだけではなく、強い毒性を持つ物質が何種類も含まれていて、健康に重大な影響があります。
カラー剤は、消費者が思っている以上に強い薬だということを知るべきです。
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【ヘアダイによるアナフィラキシーの危険性】
染毛剤(ヘアダイに含まれるパラフェニレンジアミン(PPD))によるアナフィラキシー(急性のショック症状で非常に危険)の症状は、激しい呼吸困難症状、顔・口唇・喉粘膜・喉の激しい痛み、咳、食欲不振を訴え、舌・喉・首のむくみによる呼吸困難(アナフィラキシー様の状態)、目に入ったり、眉毛やまつげに使用した時に、目が焼け付くような感じ、まぶたの腫れ、結膜の充血、悪くすると失明も報告されています。長期に使用した場合の慢性の影響として、白内障の報告もあります。
・ 接触性皮膚炎 ・ 結膜炎 ・ 気管支喘息 ・ 腎臓障害 ・ 貧血
・ 発ガン性 ・ 頭皮や顔のただれ ・ ショック症状 ・ 強いアレルギー反応
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【死亡例】 染色剤を誤飲、自殺のために飲む、殺人目的 皮膚からの吸収
PPDは、少量の接触や飛沫の吸入で、接触性皮膚炎や粘膜の浮腫(むくみ)、結膜炎、鼻炎、気管支喘息など粘膜の障害を引き起こします。間違って飲んだり、なめたり、皮膚から体内に吸収されてしまうと、貧血(血液細胞が生産されなくなる再生不良性貧血を起こすとの報告がある)、腎臓障害、横紋筋融解(全身の骨格筋細胞が壊れてしまう)などの重篤な病気を起こさせます。
また、ヘアダイに含まれるPPDやアミノフェノール、レゾルシンなどは、メトヘモグロビン血症を起こします。ヘモグロビンの鉄(Fe2+)が酸素と結合できない鉄(Fe3+)� �酸化されたものをメトヘモグロビンといいますが、血液中のヘモグロブリン中1〜2%以上になった場合をメトヘモグロビン血症といいます。メトヘモグロビンには酸素が結合できないため、肺から取り入れた酸素を体内に運べません。メトヘモグロビンが増加すると、顔の色が紫になり(チアノーゼ)、呼吸困難を起こします。新生児・乳児はメトヘモグロビン血症を起こしやすいことがわかっています。 小さな子供がヘアダイを誤ってなめてしまった場合、最悪の場合は死亡する可能性もあります。
【毛染めをする場合の注意点】
大人の場合は、染毛を繰り返すたびにアレルギー反応が強くなり、ある時突然、症状が始まりますが、小児の場合は、化学的な激しい刺激によって初めての接触でも鼻が詰まり、喉がはれたり、呼吸困難を起こしたりする可能性があります。
とくに、新生児や乳児の場合、鼻が詰まっただけで呼吸困難を起こす場合があります。自宅にヘアダイ製品がある場合、子供がいたずらしないように厳重に保管する必要があります。新生児や乳児が染毛剤をなめたり触ったりすることは避けなければいけません。染毛剤使用中に抱っこやおんぶをした場合、子供が染毛剤の付着した髪の毛をなめてしまう可能性があり、授乳婦、小さな子供がいる家庭ではヘアダイの使用を避ける必要があります。
もちろん、子供にヘアダイで染毛すること は厳禁です。ヘアダイの使用で、貧血・メトヘモグロビン血症が起こると体内で酸素を運べなくなるため、胎児が低酸素状態になり、発達に影響がでる可能性があります。したがって、妊娠中のヘアダイの使用は避けたほうが良いです。
ヘアダイに含まれるPPDは黒い色に染めるほど多くなるため、白髪を染めようとする初老の方はとくに注意が必要です。この年齢は、化学物質で被害がおきやすい年齢でもあります。白髪を染める場合、アレルギーがなければ、植物であるヘナ(ヘンナ)100%の染毛剤をお勧めします。
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スーパーなどで売っている毛染め剤には、強いアレルギー反応を起こすことが分かっているパラフェニレンジアミン(PPDと略称)という成分を含むものが多い。特に色が濃く染まる毛染め剤ほど、含有率が高い傾向にあるというが、メーカーは企業秘密として有率を明らかにしない。またPPDを含有しない製品でも、これに似た化学構造をもつパラアミノフェノールなど、PPDに代わる物質を含んでいる。
混合率によって発色が変わるため、何種類もの成分が混合されている製品もある。このような物質を一般に酸化染毛剤と呼んでいるが、正確にいうと、これ自体が毛髪の色を染めるわけではなく、酸化剤の過酸化水素と反応した時にできる物質が発色する。
いま20代の女性は8割近くが毛染めをしている。首都圏で全国理美容製造者協会が調べたところでは、パーマが目的で美容院に足を運んだ人より、毛染めのために利用した人のほうが多かった。
【毛染め剤によるアレルギー 】
毛染め剤による被害は、多くがアレルギーによるものだ。皮膚のかぶれ程度で済めばまだしもだが、呼吸困難・頻脈・悪寒など症状がきわめて強く出る急性・全身性のアナフィラキシーでは、死亡する例もある。日ごろ反応がなくても、突然アナフィラキ
シーの反応が出ないという保証はないと言われている。
アレルギーは、まず自分の体に異物が入ることから始まる。外から入ってくる異物に対して体を守るしくみとして免疫システムがある。この働きで、体の中に抗体ができる。抗体ができた後で、同じ異物が体に入ってくると、今度は抗体がこれを撃退しようとする。アレルギーの反応が生じるのはこの時である。 初めて毛染めをした時に何も起きなかったから、その後もずっと安全だということはできない。実際に反応が出るのは数年後という場合もあるからだ。自分はアレルギー体質ではないと安心して毛染めを続けていて、数か月、あるいは数年たってから苦しむ人も多くいる。
体が異物と認識してしまう物質が、種類においても量においても増えている。身近で使われている合成化学物質は数万とも数十万ともいわれる。そのうえ新しい物質がどんどん登場する。そのため人々の間にアレルギーが増えているのは確かです。
体内に蓄積するものも数多く、合成化学物質(有害物質)同士の複合作用も増えてきています。 これからは一人一人が気をつけて体の中に合成化学物質を入れないようにしなくてはなりません。アレルギーや化学物質過敏症の危険を冒してまで毛染めをする必要があるのかどうか、よく考えてみる時期にきていると思います。
【古くから使われてきた染毛剤へナ】
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『旧約聖書』の「雅歌」にもヘナの樹を賛美する記述がある。クレオパトラはヘナで爪を染めていたというし、インドの女性が眉間を染めているのもヘナ。へナ自体は安全と考えてよいのではないだろうか。
もっとも天然物だからといって、絶対安全と決め付けることはできない。人によってはヘナでアレルギーの出ることもあるという。
古くから使われて来たヘナは、ローソニアという熱帯地方に生育する植物の葉や根から作られる。染料として長い歴史があり、多くの人に使われて来たから、これ自体は無害だとされている。ところがヘナだけでは黒く染まらないので、最近は「ヘナ」と銘打っていてもPPDを配合してある製品が多い。これは「ブラック・ヘナ」と呼ばれている。
日本で「ヘナ」として売られている製品でもPPDを含むものがあるので、注意が必要だ。
【PPDの毒性 】
日本では、一口に毛染めといっても、色素で髪の毛の表面に色をつける「ヘアマニキュア」と、毛の色素を脱色するだけの「ブリーチ」、脱色した上で毛髪の中まで色素を行き渡らせる「ヘアカラー」の三つに大きく分かれる。
1863年からヘナの染色性を増強させるためにパラフェニレンジアミン(PPD)が混合され始めました。
PPD、またはそれに類似した成分が含まれているのは「ヘアカラー」である。この物質自体が呼吸器や皮膚に強いアレルギー反応を引き起こすだけでなく、酸化剤と混ぜた時にできる中間物質にも有害性があると考えられている。フィンランドでは91年にPPDの一般向け使用が禁止された(ヘルシンキ大学、ティモ・レイノ氏の論文)。しかし日本で発売されている「ヘアカラー」の多くには、今もこの物質が使われている。
PPDの害を報告した論文は数多くある。浮腫、虚脱状態、腎臓障害、遺伝子の突然変異、動物実験で発ガン、横紋筋の融解、アレルギー反応を起こす、皮膚炎、目の炎症、呼吸困難、マウスで肝臓に腫瘍、など(EUの意見書による)。これらの症状を大きく分類すると、皮膚の障害、呼吸器の障害、内臓の障害に分けられる。
環境ホルモンは不妊の可能性を高める可能性があるということで、妊娠を望む若い女性もカラーリングは避けるべきだとしています。
カラーリング剤が妊娠中の女性の体内に取り込まれると、環境ホルモン作用によって胎児の性的機能の発達に影響が出たり免疫系に異常が出る可能性があるからです。
【頭がケミカル】
毛染め剤の成分は、医薬部外品として表示を義務付けられているものが箱に印刷されている。その中にパラフェニレンジアミンの文字が見あたらなくても、トルエン-2,5-ジアミンやパラアミノフェノールなど、名前の一部にアミン、アミノをもつ物質が見あたらないだろうか。これらは「芳香族アミン」と呼ばれる物質で、PPDと似た化学構造を持ち、同じような作用を示す可能性がある。
これらの物質そのものには色をつける力がないが、過酸化水素などの酸化剤で酸化されると重合して色素に変わり、毛の色を染めることができる。そのための酸化剤が毛染め剤の一部として入っている。毛染めをしている時、頭髪が化学工場になってしまうのです。
いくら色素ができても毛の中にしみ込まなくては毛染め剤として意味がない。そのため強力な界面活性剤も成分として組み込まれている。電子顕微鏡で撮影した写真を見ると、染毛した毛髪の表面が傷んで、ざらざらになっているのがわかる。使用者は、わざわざ自分の毛を傷つけている結果を招いていることに気付いているのだろうか。
このように、取り込むと安全かどうか疑わしい成分が色々含まれていて、それが毛の表面で化学反応をする。反応の途中でどんな有害物質が生じているかもわからない。
注意深く作業しても、頭皮に薬剤がつくのは避けられない。すると界面活性剤の働きに助けられ、PPDやそれが変化した中間体、できた色素などが頭皮からしみ込む。
人間が死んで火葬場で焼かれた後、染毛を長く続けている人の残った頭骸骨が染毛剤で黒くなっているそうです。それだけ頭皮を浸透して頭の内部まで染められているのですから体に良いわけがありません。
【美容師の被害 】
染毛剤(カラーリング)を常時使用するヘアーサロン・理髪店等、理容を職業とする美容師の間でPPDによるアレルギーや喘息被害が広がっており、早急な対策が必要です。
『国際化学物質安全性カード』には「反復または長期の吸入により、喘息を起こすことがある」、「この物質により喘息の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと」と記されている。
また毛を脱色する「ブリーチ」には過硫酸塩が含まれ、これにも喘息を起こす働きがあるという報告がいくつもある。
毛染め剤ではないが、パーマに使う薬液も呼吸器や皮膚の異常が深刻な状態になっていることが分かった。多いのは、喘息のほか、慢性気管支炎、皮膚炎、アトピー等だ。このような健康上の理由で、美容師の三分の一が離職していると報告されている。
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