22.タメになるメタル話 Part 2. ( デビルサイン、メタルのサタン、ノルウェーのブラック・メタル殺人事件、他 )
まだZeitgeist:Addendumの日本語訳ぜんぜん終わってないけど、なんだか他のサイトと同じような事ばっか書いててもあんましやりがいを感じられないし、自分の得意な分野でないのが続くとストレスたまるばっかだし、しかもジャック・フレスコ腹立つばっかだし、(たぶん私は多くの一般よりも動物語に敏感なので、フレスコの話し方だけでもよけいイライラするのだと思う)、・・・もう、ものすごく具合が悪くなってしまったので、またずっと前から書きたかった内容のメタル記事を書く事にした。 (Zeitgeistの日本語訳はまた続けます。)
たぶん多くの一般の人々は全く関係ないと思っている分野だろうが、客観� �に見ても、そこにかなりの、この世の縮図がみれるはずだ。
今日はメタルカルチャーのHornsの紹介から始める。
あの、「悪魔サイン」 とか呼ばれる、人差し指と小指を立てる手のジェスチャーの事だが、日本ではメロイック・サインと呼ばれるらしく(日本では私の友達間では「デビルサイン」 と言う)、ウィキペディアはここ。
>>>『コルナ;ウィキペディア、日本語 』
メタルではふつうHornsというのが多い。
Throw the Horns!とかHorns up! が最もポピュラーで、・・・めんどくさいから英語のウィキから引っ張ってくると、『 devil sign, devil horns, goat horns, metal horns, death fist, horns up, slinging metal, metal sign, sticks up, throwing the goat, rocking the goat, sign of the goat, throwing the horns, evil fingers, the horns, forks, metal fist.』 と、いっぱいある。
最近、日本でもイルミナティのサインとしてポピュラーになってきたみたいなので、
メタルカルチャーのHornsやサタンの立場と勘違いされると腹立つので、・・・その違いをここに表記しておきたい。
メタル・カルチャーにとって重要なHornsとは何か。
・・・まずは、私自身がどうのこうの言い出すよりも、ネット上の、とあるメタル・グループの英語のページで、ちょうどよい、素晴らしく大事な要点をまとめてくれている記事があるので、それを訳したい。
(タイトル)
DO NOT USE THE HORNS UNLESS YOU ARE METAL
( メタル人でなければHorns(ホーン)を使うべからず。)
by ダン・ダノワー・ウィトマー (アメリカのカンザスの人で、メタルのギタリスト、
『 これは、メタル人でないのにメタルの最も認められたシンボル、 「Horns」 を使う人々にムカついてウンザリしている私達のためのグループです。
Hornsは、彼自身がメタル・ゴッドであるロニー・ジェイムス・ディオによってメタルに持ち込まれた。(彼がHornsを発明したわけではない。この説明は、これが真実であるとか、私達はディオが文字どうりそれを発明したと思うことを言うことによってあなたが法的に遅れを認めたりすることを決して主張しない)。
それは、まず最初に、マノ・コルヌート(mano cornuto)で、邪視(evil eye) から護ったり、邪視を与えたりする為のイタリアの手のジェスチャーだった。
彼の祖母が、彼のまわりで最もそのサインを使った人で、それゆえ、彼自身にHornsの印象をつけることによって、彼の祖母に賞賛を送っている。
( >>>『邪視(evil eye);ウィキペディア、日本語 』
彼は、ブラック・サバスとのHeaven & HellツアーでまわっているときにHornsを使い始めた。
彼がHornsを使うのは、しかしながら、ショーの間に特にダークな瞬間や、特にメタルな瞬間を強調したりする時だけだった。 ディオはただそこに座ってHornsを掲げたりしない。瞬間はHornsに値しなければならない。
「HORNS」 は、アシュリー・シンプソンやブリットニー・スピアーズのコンサートで使われる為のものではなかった。イン・シンクのコンサートで使われるべきでもない。Hornsは、ディスコやフォール・アウト・ボーイやマイ・ケミカル・ロマンス、そのような場所でのパニックによって使われるべきではないのだ。
要するに、メタル人でないなら、「Hornsを使うべからず。」
ヒントをあげると・・・そしてこれは単なる比較の目的の為で・・・ブラック(黒人)カルチャーの人達にとってのnの語のように、Hornsはメタルヘッド(metalhead;頭がメタル=メタルファン) の為のものだ。
(「nの語、N-word」 というのは、「ニガー」 という公式的には差別的な用語の"暗喩"で、黒人同士では黒人のプライドをこめて仲間意識の親近的な意図としても使われる。)
あなたが我々のうちの一人でない限り、Hornsを使うべからず。Hornsはメタルヘッドだけの為のもので、ジャック・ジョンソンやアッシャーの為のものではない。
サウスパークから引用すると、(番組のどっかにあった);"N-wordを使う白人は、それが黒人の連中にとってどんなに不快でうんざりするものか、白人の連中はぜったいわからない。"
同様に、Hornsを使っているメタルヘッドじゃない奴らは、それがどれほど本当にマヌケで酷い事か、決してわからないだろう。
( サウス・パークは、私もイギリスで楽しんでいた、大人向けのシニカルなアメリカのアニメ。
>>>『サウス・パーク;ウィキペディア、日本語 』 )
メタルではない理由の為にHorns を使う事は、受け入れられない。
(中略)
友達が指摘した様に、Hornsは新しいLOL(Laugh Out Loud = 爆笑、の略語)の様で、人々は不必要な状況で、不適当にHornsを使う。
Hornsを掲げる時、親指を伸ばしてはいけない。それは"手話"では「I Love You」 を意味する。 俺はディオをもちろん愛しているが、ディオに対してHorns を掲げることは、いつだって、「I Love You」 というのなんかよりもとてつもなく凄いことなんだ。
考えてみてほしい。 ディオは(Hornsの)方程式から愛を取り出して、それを全くメタルにしたのだ。
親指と一緒にHornsを掲げる時、バカみたいにしか見えないので、だからどうか私達に恥をかかせないで下さい。(ただI Love Youと言いたい)子猫ちゃんは手を下げてね。
関連したトピックでは、 「メタルでない人はメタルシャツを着るべからず。(DO NOT WEAR A METAL SHIRT IF YOU ARE NOT METAL.)」
聞いてないバンドや、そのバンドの事さえ聞いたこともないようなバンドのシャツを着ることがファッショナブルかどうか、とか、今聞いてる何にせよから地獄を蹴り出せたとかなんかは、俺には関係ない。メタルでない奴はメタルシャツを着るべからず。
貴方が(いつも)聞く音楽が、(普通の)小学校6年生の女の子が聞くのと同じなら、メタルシャツを着るべからず。 もし貴方がHornsを見せびらかすよりももっと、ギャングのサインを見せびらかすのなら、メタルシャツを着るべからず。
(中略)
断り書き; もし貴方がロングホーンのファンなら、ロングホーンのイベントにのみ使える、彼らの為だけにだ。 ただ自分のケツの上に座って、そんな気がするからというだけでHornsをちらつかせないでほしい。雑誌を読み終えたと同時に洗濯機がまわり終わったのが嬉しいからHornsを使うのが、テキサス・ロングホーンズとどう関係があるというのだ? 何もない。 Hornsを使うべからず。
(テキサス・ロングホーンは、コルナの日本語ウィキにも出てます。)
(中略)
こういうのが聞こえる。「それは、(昔からの)手のジェスチャーであって、あんたがた(メタルヘッド)はそれを考えられないほどの知能遅れだ。」
そう、それと同じ程のもので・・・"ただ単に" 2つの木切れを釘で一緒に刺したものが、キリスト教の信頼を象徴するものだ。 "ただ単に" 幾つかの白と赤の縞々と一緒の幾つかの星が、アメリカ合衆国を象徴する。 "ただ単に" 半端の丸、が、イスラムの信頼を象徴する事になったりする。 他のみんなと同じように、それはシンボルだ。
それが私達にとっての意味するのは、それが貴方にとって意味するのとは同じではないから、というだけでは、私達がバカで貴方は頭がいいという事にはならない。 どっちにしろ、そんな事を言ってると頭が固い奴になるだけだ。
(後略、その中には Zimmers Hole/ズィマーズ・ホール という、カナダのメタルバンドの作った"おきて" のリストを含む。
Zimmers Hole は、「いかにも典型的なメタル!の笑えるトコ」 というのを表現するコンセプトのコメディ・バンドだが、彼らの音楽はホンモノの極上メタルだ。メタルといっても様々なものがあるけど、メタルシーンを全体的に見て「これはどう見てもメタル」 というのが詰め込んである。(たまにパンクの曲調そのまんまが混ざってたりするけど、反体制の精神から、メタルにパンクが混ざっている事はよくある事でもある。)
メタルべくメタルの典型のコメディ、というコンセプトからいって、曲調はメインストリームの寄せ集めのスタンダードだが、なんせ、その心が詰っているのでそこにZimmers Holeという生きている命が存在する・・・が、やっぱりコメディなので、熱烈に愛される事も少ないかも。
メタル・カルチャーがキリスト教のサタンをまじめに宗教的に崇拝していたらこんなことにはならないだろう・・・ということも、彼らは示している。
コメディさがあまりにもバカバカしすぎたり、下品すぎたり、笑える、という能天気さからして、・・・普通メタルヘッドがひたむきに自分の好きなタイプのメタルを愛すのと同じようには、ひたむきに愛される事が少ないであろうバンドでもある。
Zimmers Holeの日本語のウィキもまともな紹介もネット上で見つからないので、とりあえず、MySpaceのプロファイルはここ。
>>>『Zimmers Hole ; MySpace Profile 』
>>>『Zimmers Holeのとってもかわいい写真はココ。』
( Zimmer というのは、主にお年寄りの歩行を助けるフレーム、歩行器の事で、よろよろのお年寄りの代名詞でもある。・・・イギリスでは。でもカナダではどうか知らないです。 )
『Zimmers Holeのおきて』 の一つに、
「防弾のコップからビールをがぶ飲みするべし。」 というのがある。
こういうジョークの可愛らしさや笑える皮肉はやっぱりメタルヘッドにしかわからないだろうと思うので、その、おきてリスト全部の内容はここに書かない。
とりあえず、いちばん始めの、「1. Should They Plunder, Thou Shalt Suffer an Eternity of Humiliation in Song for Thy Ignorance and Stupidity.」 というのは、直訳すると、メタルらしく皮肉すぎる言葉になるので概要を言うと、 「音楽の中で、あなたがどれほど社会から略奪されてきたかを思い知るだろう」 という事で、それってなんだか、ピーターが最初のZeitgeistの冒頭に述べている言葉と似ている。 ・・・もしかして、ピーターはここからアイデアを拾ったのだろうか・・・。ピーターがメタル系だとは思えないけど。
そんで、この 『メタル人でなければHorns(ホーン)を使うべからず。』 のページにあるリンクの1つにこれがある。
>>>『METAL COUNCIL CONVENES TO DISCUSS 'METAL HAND SIGN' ABUSE 』
Hornsのメタル以外での乱用について、メジャーなメタルのアーティスト達が話してて、英語なのだが、めちゃめちゃ笑える。 けど、登場するキャラとそのバックグラウンドを知らないとたいして面白くないと思うので、訳さない。) 』
ちなみに、ディオが実際に彼のおばあちゃんがHornsを放っている姿をまねしているのがこのビデオの1:30くらいから。めちゃくちゃかわいい。
(ディオ、本当にかわいいなあ・・・。表情とか、喋り方とか、めっちゃ、たまらん! 私はレインボーは好きじゃないけど、ディオの歌は本当に愛がいっぱいつまっているのでやっぱり大好き。あんましたいした事書かれてないけど、彼の日本語のウィキはここ。
>>>『ロニー・ジェイムス・ディオ;ウィキペディア、日本語 』 )
それで、だ。コルナの英語版ウィキペディアにはもっと詳しく、どのメタル人がディオより早く使っていたかとか、いろいろ詳しく書いてある。
ディオのおばあちゃんが 「邪視(Evil Eye)」 としていた物はmalocchio で、 molochと同じ、『モレク/モロク』 の事だ。
>>>『モレク;ウィキペディア、日本語 』
Evil EyeでEvil Eyeを追い払う、というのは、イタリアにかぎらず、世界中の古くからの民族文化に見られるコンセプトでもある。
他にHornsを使うアーティストや有名人はたくさんいたが、爆発的にメタル界に広めたのはディオで、
重要なのは、
「考えてみてほしい。 ディオは(Hornsの)方程式から愛を取り出して、それを全くメタルにしたのだ。」 という事だ。
ブラックサバスのオリジナルのボーカルであるオジー・オズボーンがピースサインを掲げていたのに対して、デイオはそのノリを引き継ぎながら、自分の思いを込めて使ったサインは彼の祖母の愛だった。
太古の昔から引き継がれてきた命。そして私達生きているみんな一人一人がそれ自体であり、その象徴、であるのと同時に、重要なのは、彼の祖母の愛、という事。
主にメタルの芯は、世の中の人間の権力による暴力への反抗の叫びだ。そして、権力体制の中で個々をまず護るものは家族や仲間でなければならないという心が潜んで いる。 野牛の群れの様に・・・。
(number of beast 666、野獣のナンバー666というのが愛される理由の一つだ。)
そしてメタルで重要なのは (・・・まあ、メタルにも色々なのがあって色々な面があるけど・・・)、主に、生きている命の輝きだ。
もともと、「命の輝き=ルシファー」 で、
そのルシファーがキリスト教の天国からキリスト教によって落とされてサタンが作られた。
キリスト教権力が古代からの土着文化を悪魔としたのは前から何度も説明したけど、
世界中を征服したキリスト教権力はグノーシスに呪われているので、
" 「善=霊=キリスト教=権力体制」 vs 「悪=肉体=土着文化の神々=メタル」 " という図になる。
そこでメタル側がサタンを持ってきて象徴するのは、「権力体制によって拷問されてきた土着文化の怒りの象徴」 であり、「生命の輝きを拷問し抑圧してきた権力体制への反抗の意」 でもあり、なんせ、・・・笑える・・・ってゆうか、かわいい・・・というか、とにかく、サタンはメタルのマスコットである。
キリスト教のサタンをまじめに"信じる"のはキリスト教を信じるのと同じことなので、キリスト教権力のばかばかしさを笑いに変えてしまっているのもある。
もちろん、「キリスト教が生んで作り出した悪」 としてのサタン、というのに使われたりもする。
サタンをどう使うかは色々だけど、結局サタンやナチをメタル・シーンで悪用(?、!、・・・?)すると、大多数から嫌われるので、メタル・シーンに居場所がなくなってしまう。
前にも書いたけど、キリスト教以前に人々から愛されていた数々の命の象徴のうちの一つは、牛科、牛やヤギや羊だった。人間の命を支えてくれたその、立派なツノのある獣達を人々は本当に感謝していた。食べればおいしいし、着るものにも小細工の道具にもなってくれるし、ミルクもわけてくれる。
農耕が始まり、階級や奴隷文化が始まり、一神教が権力体制に利用されだす前に、命を救ってくれる重要な存在はHorns(ツノ)を持った獣たちだった。
だから、
そんなこんなで、
Horns と サタン は、メタルカルチャー内でこよなく愛される、絶対的な正当な理由がある。
でも、Horns や サタン、デビル、悪魔、でバリバリのメタルヘッドでも、家族の墓はキリスト教墓地にあったりする。 メタル・カルチャーで主に反抗の的となっているのは不条理で抑圧的な権力体制であるので、宗教でも伝統でも、愛に満ちている面であれば問題ないのだ。ほとんどでは。
そんで、クリスチャン・メタルのカルチャーも存在する。
しかも、アイアン・メイデンは、言うなれば、ばりばりのクリスチャン・メタルでもある。
ボーカルのブルース・ディッキンソンは、子供の頃にはキリスト教の布教活動に熱心で、神を盾に人々を説き伏せて改心させる、というのにハマって夢中になっていたと言う。とにかく、自分ができる現象に夢中になってやみつきになったそうだ。そしてそれが、彼がメタルバンドのボーカルとして大勢のファンを集める事に繋がった、と言っていた。
そしてキリスト教を本当によく知っていたからこそ、アイアン・メイデンがホンモノのメタルになれたのもある。
( 私は昔からアイアン・メイデンの音楽を特別好きだと思ったことがないので、細かいところまでは知らないけど、メタルの歴史上とても重要なので、いつもメタル系のドキュメンタリーやインタビューに出てるのはたびたび見てきた。
私もブルース・ディッキンソンはすごくかわいい(かわいくて笑える)人なので好きだ。とても真っ直ぐで正直な人だし。
そして私は彼のアイアン・メイデンとしての歌声は好きではないけど、ソロでトラディショナルなペイガン・メタルっぽいのを歌っていた声には感動した。
しかも彼は筋金入りの 「鉄道マニア/Trainspotter」 でもある。)
>>>『ブルース・ディッキンソン;ウィキペディア、日本語 』
Tears of Dragon - Bruce Dickinson
(これは私のまあまあ好きな曲のビデオ。そしてこれは殆どただのバラードでソフトなので、メタラーでない人でもこのビデオは楽しめるのではないかな。 でも、途中でレゲエ調のリフが入るのがビデオのコンセプトの流れに合ってないので・・・いきなり刑事ドラマみたいになって、かっこわるい・・・のがまた笑える。
それにしても、はじめてこのビデオをイギリスのテレビで見た時は笑った。 だって、黒っぽい長髪かぶせて、ぼやけ映像で彼をまるでイケメンのように見せてしまうなんて・・・詐欺だ。 ははは。 一般に売るためにはビジュアルは重要だとも思うけど、彼の事を知らなかった若い子達が彼の普通の姿を見た時にはかなりビビルだろう!・・・そして、ほとんどのメタラーはみんな彼の普通の姿が大好きなので、・・・テレビでこれを流してノン・メタラーを騙す、というのが、笑える。・・・全くなりきっているブルース・ディッキンソンもかわいくて笑える。 でもとにかく歌は愛に満ちていて感動的だ。)
そんで、
ブラック・サバスの十字架も、実はディオのHornsと似た意味があったのだよ。
旋盤の配線方法
貧しい街で貧しく育った彼らは、当時映画館で上映されていたホラー映画が大繁盛していたのを見て、ホラー音楽で儲かるかもしれない!と言ってやりはじめて、見事に当たったのだ。
そんで、キリスト教のお祈りなんかろくにまじめにした事のなかった若きブラック・サバスだったが、心配した彼らの親達が、お守りとして、息子達に十字架のペンダントを与えたのだった。
(オジー・オズボーンの宝物は、なんといっても、1968年に彼の父が自分で作ってくれたアルミニウムの十字架。 ちなみに彼は、世界貿易センターの瓦礫から作った十字架も持っているらしい。)
>>>『オジー・オズボーン;ウィキペディア、日本語 』
・・・結局は、キリスト教がなかったら、始めからのメタルの悪魔っぽいコンセプトも生まれなかったのだ。 ははは。
キリスト教のサタンとかの神話をよく知っていた人達がメタル音楽を始めたおかげで、私達現在のメタラーは、サタンとかデビルとかで笑えることができる。
で、
私がまだメタルが何かよく知らなかった大昔から好きだったメタルの特徴として、本気の心のこもったメタルにはいつも、それぞれ自分の土地の癖が現れるという事だった。
たとえば、たくさんの違う場所の色々なバンドが、同じ曲の同じ楽譜を演奏しても、住んだり育ったりした土地の影響が音に反映されるので、それぞれその土地の匂いや情景が浮かび上がってくる。
それは、それぞれに生きている生命の輝きが反映されるからで、例えば、・・・有名バンドの完コピをしてその職人技を身の回りに披露してエンターテイメントになる事はできるが、メタルバンドのアイデンティティーとしてはカッコワルイ。
だから、自分が素晴らしいと思った外国のバンドの音楽の方式は利用しても、自分自身の息吹を吹き込まなければ、意味がない。
そして、語はわからなくても、言いたい事は伝わる、という事。 動物語のマジックだ。
ギター、ドラム、ベース、もちろんボーカル・・・発する全ての音が動物語と同じことをする事ができる。
そのバンドの動物語に共感するから、そのバンドのファンになり、ほぼ同じ気持ちの仲間がそのバンドのライブに集まる、という事になるし、動物語で伝えられる内容によって、それぞれの人によって、あまり好きじゃないバンドとか好きなバンド、とかになる。
動物語でコミュニケーションをとっている上で、生きている命の輝き、というのはとても重要で、メタル・カルチャーの真髄なのだ。
( 中には、コンセプトや根性よりも、音の美しさにだけこだわるメタル・シーンもあるが、私はあまり好きではない。特に、そういうのはとにかく「売る!」 という匂いがプンプンしてる事が多くて、どんなにきれいな音でもドル札のイメージばっかり浮かび上がってくると、あまり好きにはなれない。 )
もちろん、メタル・カルチャーを保つ為に、稼ぐバンドやお金も必要だ。 だから、メタルヘッド以外からも愛されて稼ぎまくるメインストリームの大型バンドも重要だし、・・・動物語で多くのメタルヘッドを共感させた、メタルヘッドに愛されるほとんどのメインストリームの大型バンドは小汚くて決して美男子でない事が多かったりもする。
メディアによって世界中に広められようとしていた「へヴィーメタル=セックス・ドラッグ・ロックンロール」 という宣伝を大々的に世界的にぶち破ったのが、ブラジルのセパルトゥラ(Sepultura)だ。
そして、土着の民族音楽を誇らしげに融合させたRootsというアルバムの最後にドラムのリムショットで表現されている音から見えてくるのは、暗闇の草原に鳴り響くライフル銃の音だ・・・野生動物と同じように地元の人々を撃っている・・・。
このビデオは、MTVアウォードでも受賞したし、見たことあるんじゃないかな。ほんとにすばらしいです。
Sepultura - Ratamahatta
Sepultura - Ratamahatta
( ちなみに、私の夫はペットにラット(Rat)を飼うのが好きで、私の前の彼女と住んでた時は、Ratamahatta(ベージュ)、Gorgoroth(白黒)、Anathema(白黒)、という3匹のラットを飼っていた。
私の時は、はじめRaticaとRatikoの普通のドブネズミカラー(暗い薄茶)の2匹がいたけど、Ratikoは運悪く、夫がベッドに腰掛けた下にいたので死んでしまった。ラティカが一匹でかわいそうなので、白黒のHoodedを買ってきてラティホゥッド(Ratihood)と名づけた。 死骸は私がJuniper(ネズの木)の鉢を買ってきて根本に埋めたのだけど、近所のネコが土を掘り返してちらかすのに夫が激怒して、木もろとも燃えるゴミのタンクの中に鉢を捨てられてしまった。 )
それと、メタリカ(Metallica)だ。
メタル・キッズは、まず身の回りの兄ちゃん姉ちゃんメタラーから影響をうけてメタル界に入るとか、それか、メディアから拾ったメタルの切れ端から入っていったりするわけだけど、
メタル界に入ると、メディアで一般に見れるメタルと実際に生きているメタル界では全然違う事に気付く。
メタリカは、アンダーグラウンドから爆発的にヒットし、メディアも、金儲けのチャンスを逃したくはないので、後から付いてきて、グラミー賞をとるまでにもなった。
メタル界に限らずだが・・・ドラッグはメタルカルチャーに始めから植えつけられていた・・・というか、メタルが始まる前に、まだ未知のものであったドラッグは大々的に人々によって試されて広まっていた。
メタルカルチャーの初期は、ドラッグという悪魔との戦いでもあった。欲望との戦いでもある。
メタリカのオフィシャルなデビュー前の騒動で伝説になった、今では笑える話、とは、今の日本人も日本のテレビでよくみかけるだろう、マーティ・フリードマンとちょっと関係がある。
マーティ・フリードマンが昔いたメガデスというバンドを作ったデイブ・ムスティンという人は、昔メタリカにいて・・・・
・・・笑ってしまうが、当の本人であるデイブ・ムスティンもまわりの人達も大変だっただろうとは思う。(・・・デイブ・ムスティンも可愛くて笑える。)
興味のある人は見てみよう。彼がしたこととは・・・。
>>>『デイヴ・ムスティン;ウィキペディア、日本語 』
とにかく、メタリカは、自分達が思い知っていた戦いを表現した。
「セックス・ドラッグ・ロックンロール」 の退廃的なイメージは、それを利用して大儲けしようとした取り巻きの権力によって植え込まれていた何ものでもない。
今では、その退廃的な歴史はメタルの笑いの種になっているので、それなりに役割を果たしたとは思うし、あれがなければ、「カネ(money)の支配者の呪いとの戦い」 とか、「欲望との戦い」 とかいうメタルの本当の叫びが半減してたかもしれない。
( 個人的に、メタリカは尊敬するし音楽も凄いと思うけど、私には四六時中思い出したくない内容のコンセプトの感じなので、自主的に何度もは聞かないです。)
メタル・カルチャーが色々身を持って学んだというそのプロセスは結局、真実を暴くためにも重要な役割を果たしたのだけど、
メディアによってもメインストリームのメタルとして広められた退廃的なイメージのメタルは、結局今は、殆どの、メタルに生きるメタルヘッド達からは、尊敬されていない・・・というか、現在はほとんど笑いの種になっている。
単純に、正直に、そのバンドのよいトコだけは褒められるが、あとはクソだ、と言われる。 ニューメタルとか、モトリークルーとかコーンとかが、主に槍玉にあげられるが、特に最近は、「エモ系」 は、だいたいケチョンケチョンに言われる。
エモ系でも、クールなものがないわけじゃない。だけど、「エモ」 というのが 「エモーショナル」 という語から来ているくせに、ほとんどのエモ系バンドの音楽はぜんぜん感情的とかではなくて、「感情的っぽい音に酔っているだけが殆どで、気持ち悪くなる」、というのと、「その感情の出所がくだらない理由」、というのが、動物語で察してしまうメタルヘッドの正直な気持ちだ。
権力体制によって今でも罪のない人々が虐殺されている悔しさや怒りがいつもどこかにあるメタル・シーンにとって、クヨクヨメソメソ泣いてそれにただ溺れてその領域に自ら閉じこもっているような音楽は、多くのメタルヘッドにはつまらないだけになってしまう。
そんで、 「エモ音楽による自殺促進」 というのが、そう操作されたのかでっち上げか知らないけど、「あんなもんばっか聞いてたら自殺するように洗脳されてもしかたがない。」 という言いぶんもわからないわけではない。
過去に実際、メタルを自殺や犯罪の理由にされて裁判になった例は山ほどある。どの例も、メタルの勝手な個人的な悪用とか濡れ衣で、たぶんメタルヘッドから言わせれば、メタルノリでは、メタルを自分の自殺の言い訳に使うようなアホはとっとと死んでしまえ!と思わずにいられないのが正直なところだろうが、一般の人たちにはそんな事はあえて言わずに、やっぱり残念で仕方がないという素直な本心を切実に訴える。
一番ポピュラーなのは、1985年にアメリカで起きたジューダス・プリーストとオジー・オズボーンの件だろう。
>>>『ジューダス・プリースト;ウィキペディア、日本語 』
>>>『Suicide Solution;ウィキペディア、英語 』
私自身も、自殺せずにここまで来れたのは、メタルのおかげとも言える。 メタルが生きるパワーをくれる、というのはメタラーならみんな分かっている。 メタルを聞いて自殺や犯罪をするような人は結局、メタルファンではない。言い訳にメタルを利用したいだけなので、メタルはただの被害者になる。
メタルの、自分で考えて自分で正しいと思ったことをする、という基本(メタラーとして、メタルの中でも自分の好きな分野を追い求める為に重要な点なので)が、体制組織にとっては脅威であるので、汚名を着せられることはしょっちゅうだが(・・・それこそほんとにスケープゴートだ。)、メタルヘッド達はいつも負けないようにがんばる。
今からまた、メ タル・カルチャーがどのように操作されようとするか、何にぶちあたるか、わからない。
もしかして、世界が本当に平和になってしまったら、今までのようなメタルの現役も消滅してしまうかもしれないが、今までのメタルのフッテージは伝統として残されていくだろう。音楽の形態だけ残して、別の生物に生まれ変わるかもしれないし、ただエレクトリックな民族音楽になってしまうかもしれない。
でも、生きている生命の輝きを謳歌し生きていることを楽しむ為の誠実な努力の痕跡が忘れられる事はないだろう。それも忘れさせられてしまうと、本当のメタルは死んで、抜け殻だけがさまようだろう、と思う。
日本のメタル・カルチャーでは、メタルを演奏している人たちはだいたい分かってると思うけど、ほとんどの日本のメタルファンはメタルヘッドという程までメタルにどっぷりで生きているわけではないと思うので、私は「メタラー」 という表現をするけど、ロンドンでも普通はメタルヘッドというよりメタラーというのが普通だったと思う。
ただ、スレイヤーやメタリカが好きでアルバムを全部持ってたとしても、メタルを自分のアイデンティティーとして生きていかないとメタラーではないのだ。
これを書いてる途中に、夫から、Global Metalのドキュメンタリー映画がYoutubeで全部見れるのを知らされ、さっきやっと見終わった。
だから、これを書いてる間にネタ影響をうけたのもあるけど、本当にいい映画を作ってくれたと思う。(ラウドネスが入ってなかったけど・・・。・・・コラ!!!)
日本語の字幕がついたDVDは売られているが、Youtubeで見れるのは日本語字幕ないので、もし興味があって英語がわかる人は見てみると面白いかもだけど、メタル人によって作られた映画なので、出てくる人たちのバックグラウンドを知らないノン・メタラーだと、よくわからないかもしれない。
そんで、どうせ知ってる内容だろうしいちいちダウンロードするのがめんどくさかったのもあって、Global Metalの前に作られたHeadbangers Journey は見たことなかったのだけど、ディオの事やメタルの歴史なんかを書いた後で、自分の見解がメジャーになったものとずれすぎてないかどうかちょっと不安になって、Youtubeで見てみたら、ディオの素晴らしいフッテージがあったので、上に貼っといた。
そして、まず、もしメタラーが犯罪をやってしまったら、その時点でもう、メタルヘッドではなく、ただの犯罪人になってしまう。どんなに有名なメタルのミュージシャンだったとしても。 メタル界からは、「メタルを悪用したクソだ!」 としか言われない。
最近の一番ポピュラーなのは、 「ユーロニマス殺人事件」 にまつわる事だろうと思うが、この件は確かに、微妙で奥が深すぎる。 100%メタルと関係ないとは言えないし、ノルウェーだから仕方が無い、としか言いようが無い。 もし同じことがノルウェー以外で起きたら、そのようにはならないだろう。ただの犯罪だ。
1993年8月10日、当時の「メイヘム(Mayhem)」 のベーシストのヴァーグ(Varg、芸名、1973年2月11日生まれ)が、当時のメイヘムのギタリスト、ユーロニマス(Euronymous、芸名、1968年3月22日生まれ)を刺殺した。
ユーロニマスは、ヴァーグのブラックメタル・アンビエント音楽の一人バンド、「バーズム(Burzum)」 の、ライブ用セッションメンバーでもあった
彼らは二人とも、他のブラック・メタルバンドの連中と一緒に、キリスト教の教会の放火の常習犯で、ユーロニマスがボスだった。
>>>『インナーサークル;ウィキペディア、日本語 』
( 注;インナーサークルは、ユーロニマスが勝手に作ったコンセプトで、メンバー制でもなんでもなく、ただテキトーに集まってほっつき歩いただけだったそうだ。
それと、脳みそをシチューにして食べた、というのは後でメイヘムがオフィシャルに否定している。骨はお守りとして友人同士で分けてペンダントとかにしたらしいけど、別に特別変な事じゃないと思うけど。
イギリスでは大昔、戦争で獲った敵の首を軒先にぶら下げて、その知恵を授かろうとする習慣があった。敵にもそれだけの尊敬があったという事でもある。 )
これは、自殺したデッドと、殺されたユーロニマスの写真集になっているビデオクリップ。
Dead & Euronymous(Mayhem)
でもこっちのビデオの写真の方がよくわかりやすい。
Old Mayhem
注; これは血のグロいのを見たくない人は見ないで下さい。
金髪のがデッドで、黒髪の童顔がユーロニマス。 インナーサークル当時のMayhemはまだ、ほんの子供達に毛が生えた程度だったというのがわかると思う。(ヴァーグがメイヘムに入ったのはデッドが死んだ後。)
子供の時、若い時には、まだ理解できない色んな事があるし、まじめで純粋な程、自分が汚らわしいと思うものに我慢ができなかったりする。
ユーロニマスが死んだ1993年当時、彼は25歳、ヴァーグは20歳。 デッドは1991年に22歳で死んだ。
ヴァーグの裁判の時のビデオはここ。
Vikernes sentence.. he smiles
*/
とにかく、このインナーサークルの件は、本当に、とても深くて微妙だ。
基本的に、怒りや反抗を音楽で表すのがメタルであって、暴力に訴えると、それはただの犯罪にしかならない。
だけど、ユーロニマスにまつわる彼らの行動には、メタルだけでは収まらない大きな理由があるかもしれない事を書きたい。
メイヘム(Mayhem)もバーズム(Burzum)も、もちろんエンペラー(Emperor)も、イギリスでも世界中でも大人気だ。 特に、イギリスのメタラーには、彼らに共感する重要な理由がある。
想像してみよう。4歳の男の子がキリスト教の権威ある聖職者達から何年も、性的に虐待され続けたとしても、誰も助けてくれることができないのだ。
ユーロニマス達自身がどういう体験を実際にしてきたかはわからない。
でも、私がイギリスにいた時、ちょうど、イギリスで虐待を受けた人たちが40歳を過ぎ、もう世間の目を怖がるのをやめて、勇気を出して告発し、自分の子供達の世代を救わなければ、と、立ち上がった時だった。
彼らは、もう70を過ぎる聖職者達を告発した。年老いた聖職者達がまだ生きているうちに、罪を認めさせなければならないのもあった。
もし、虐待を受けたのがほんの少数だったら、告発も世間に揉み消されていたかもしれないが、あまりに大勢の被害者が立ち上がったため、現状に行われていた聖職者による子供の性的虐待も、ぼろぼろ出てきて、まるで連日新聞に満載で、夫は見つける度に読んでくれた。
性的にではないにせよ、私の夫もキリスト教の孤児院で虐待され続けた一人だったからだ。
( 世界統一政府の計画の、宗教撲滅計画の為に、人々を失望させる為に、無実の聖職者達もが利用されたかどうかは、私にはわからないが。)
メタルだけでは癒されきれない屈辱、傷と憎しみ。
それがなぜ、ユーロニマス達がサタンの名をとり、教会を燃やしたり、ホモセクシャルに暴力を振るったか、の、理由だ。
実際に当の本人達に何があったかは、彼らが年老いて真実を語りだすまでわからないかもしれない。
自分が実際に受けた屈辱なんてまだ恥ずかしくて世間に言えないほどユーロニマスたちはまだ若かったし、自分自身が受けた屈辱でなかったにせよ、そういう社会で生きているのが耐えられなくて爆発してしまう程若かった、とも言えるし、やはり自分達の親の世代からの影響、というのも大きいだろう、でも、その親達が悪いとは決して言い切れない(詳しくは後で説明)。
キリスト教に反抗を示す上で、必然的にサタンの名をとらなければならなかったのも明らかだ。
もし子供の頃に受けた性的虐待が関っていたとしたら、そんな屈辱的な怒りを、音楽なんかに閉じ込めて良い子にしている、というのも、負け犬のように屈辱的だ、と思わずにいられなかった気持ちも、全く不条理ではない。
メタルの動物語はメタルヘッドにしか届かないし。
どのように太陽電池パネルは動作しません
40になるまで、家族を悲しませたりさせないように、胸の中に押し込め続け、十分に発言権のある大人になってから、恥を忍んで正当に聖職者達を告発したイギリスの普通の人達は、ただ悪びれて暴力によって仕返ししたメタル小僧達より勇気がある、とも言えるけど、ユーロニマス達には北欧の土着文化の魂があった。(細かく言えばもっとすごく複雑だけど。あとで説明。)
今の時代に、権力者たちによって犯される、古くからの野蛮な伝統。組織化された、聖職者達による子供の性的虐待など。それに立ち向かうには、彼らにとっては、彼らなりの古くからの伝統で戦わなければならなかった・・・と考えられる。
北欧、バイキングの国だ。死を恐れるなどもってのほか、戦死しなければ天国の一番いい所へ行けないという土着文化があったところだ。
口げんかになったら、片方が殺されなければ終わらないというのが普通、というイメージもある。
北欧にその昔、ドイツからキリスト教が来て、キリスト教を受け入れる様に頼まれた。もともと、太陽神だけでも何人もいて、その中にイエス・キリスト1人増えたトコでたいして変わらんと思って親切に受け入れたのに、入ってきてからキリスト教が権力を持ってからは、その新しい地獄が始まった。
北欧の人も、自分の家族がいる自分の土地が戦場になるのは、他の国に男達が出かけて行って盗賊してくるのほど、好ましいものではないので、妥協し続けた。
バイキングはその昔、イギリスに行ってキリスト教の教会を焼き、教会から金銀財宝を盗んでいたので、教会を焼き落とすのは何も自分達が始めた事ではない、と、ヴァーグは言うが、それはまあ、そうだ。
ノルウェーのキリスト教会が実際どのようであるか、知らないけど、メイヘムの音楽を聴けば、動物語で何を訴えているかは明らかだ。
( 個人的に、私は自身はメイヘムもバーズムも好んでは聞かない。 メイヘムは悲痛すぎて耐えられないのと、バーズムはもうあきらめて死んでる様だから。)
殺されたユーロニマスは、「自分は敬虔なキリスト教だからサタンを信じる。サタンに皆従わなければならない。」、と言っていたのに対し、
殺した方のヴァーグの方は、土着文化支持のアンチ・クリスチャンでサタンを否定し、ナチに影響されたのもあった。
ヴァーグがナチに影響された理由は、「ナチは北欧の土着文化の太陽のシンボル、スワスティカを始め数々のペイガンのシンボルを尊び、キリスト教を作ったユダヤ人を拒絶した」 という事だった。 けど現在は、彼は結局ナチではないので、彼自身をナチと呼ぶのはやめ、人々はそれぞれ自分自身の文化を享受できるべきだと主張しているらしい。
ちなみにヴァーグは、子供の頃、母親は大手石油会社に勤め、父親は電気工学技術士だった。彼が6歳の時、父がサダム・フセインのコンピューターのプログラムの開発の為に働く為、家族はイラクのバグダッドで1年ほど暮らした。外国人学校がなかった為、ヴァーグはイラクの普通の小学校へ行ったが、どんな悪さをしても、白人なので、他の子の様に体罰をあたえられなかった。そこで白人の優越を覚えたらしいが、彼の両親も、有色人種を好きではなかった。父親は、ヴァーグがナチなのではないかと心配するくせに、街で有色人種に会うたび� �ムカついていたという。そして彼が12歳の時両親は離婚した。
で、結局、ユーロニマス達は、 「メタルを誤解されるような事をしたバカ」 というのと、 共感するもの達にとっては「あたりまえの現象だ。もっと教会を燃やすべきだ。」 というのと、「そうする事しかできなかったかわいそうなやつら。」 というのと、 「サタンなんかに魂を売ってサタンに食われた典型的なマヌケな奴ら」 というのと、 「マンガのように死んだりした、頭の悪いメタルヘッドの笑い話。」 というように、メタラー内でも受け取られ方は様々だ。
彼ら自身が性的虐待を受けたことがあるという情報が全くない為、(でも、子供の時に性的虐待を受けたのは自分自身ではないから、屈辱感や怒りを感じるべきではないというのも、変ではないだろうか)、
彼らの行動は、殆ど「勘違いの勝手なバカなガキンチョ・・・)。」 というのが多くのメタラーの意見だ。
でも、土着文化支持、アンチ・クリスチャン、というメタル・カルチャーにインスパイアされた北欧のブラック・メタラー達のほとんどは、「教会は焼かれて当然だ」、と思っている。
( 微妙なところで、ゴーゴロス(Gorgoroth)というノルウェーのブラック・メタルバンドのゴォール(Gaahl)も、教会を焼き尽くすのは賛成しているが、彼自身が同性愛者なので、彼をめぐってはもっと複雑だったりする。
>>>『Gaahl;ウィキペディア、英語 』
>>>『Gorgorth; MySpace Profile』
CDは持ってないけど、Gorgorothの音は私も大好きだし、教会の放火は賛成できないけど、Gaahlの言う事も好きだ。
GorgorothはImmortalを否定してないし。)
で、以上は最もポピュラーで、世界中のメタラーが共感できるポイントだけど、
・・・実はノルウェーには、もっと悲惨な事実がある。 この事を知って、メイヘムがメタルの最大のフェスティバルが行われるドイツで「ドイツなんかヘドが出る!」というのがただルードでかっこつけているだけなわけでは全く無いのがわかるだろう。
ヴァーグがナチに自分のアイデンティティーを求めた理由も。
>>>『Norway's Abused War Children Move Step Closer to Compensation 』(英語だけど)
第二次世界大戦中、ナチが行った 「レーベンスボルン計画(Lebensborn programmes)」 の一部が、ノルウェーで起こした悲劇だ。
ナチは、「金髪・長身・青い目」のアーリア系のノルウェー人を使ってドイツ人のアーリア人化を深める為に、ドイツ人ナチ党男性とノルウェー女性との交配を進めた。 ナチがノルウェーに滞在していた1940年から1945年までの間に、ナチがこの計画の為に作った9から15の特別な出産所で、交配された約1万2千人が生まれた。
戦争が終わってナチが引き上げるととすぐに、ナチと関係を持った1万4千人のノルウェー女性が逮捕され、5千人が強制収容所へ1年半入れられた。その収容所で女性たちは頭を剃られ、暴行され強姦された。
ドイツ人と結婚をしていた女性たちは、ノルウェー国籍を剥奪された。
生まれた子供達は全て、「ドイツ人の子」、「ドイツのクソ野郎」、「ヒトラーのクソ野郎」、「人間のクズ」、「知能遅れ」 などと呼ばれ、ナチ支配時代の象徴として迫害され、虐待の対象となった。
孤児院では動物扱いされ、暴力や性的虐待、あらゆる虐待をされた。 子供達はトイレを使う事も禁止され、バケツで水をかけられて目を覚ますまで自分の排泄物の中に横たわっていなければならなかった。
その後、孤児院を出た者達の多くが自殺し、アルコールやドラッグの依存症になった。
『 ドイツ兵との間の子供についてはフランスで約8万人、オランダでも1万人以上との推定があるが、このように政府が「公式に迫害」したのはノルウェー政府だけであった。
1999年12月にこのような出生である122人が「欧州人権規約」に反するとして、ノルウェー政府に損害賠償を求める訴えを提起した。 7人の提起が認められたが裁判では出訴期間が経過として却下された。
しかしながら2000年には、当時のヒェル・マグネ・ボンデヴィーク(Kjell Magne Bondevik)首相が謝罪した、2002年にはノルウェー国会で公式の謝罪と補償を政府に促す決議が全会一致で採択され、2004年7月には迫害の度合いにより2万ノルウェー・クローネから20万ノルウェークローネの補償がなされることが決定した。 』 − ウィキペディア、「ナチの子供」
>>>『ナチの子供;ウィキペディア、日本語 』
ユーロニマス達の家系は私にはよくわからない。ヴァーグの母親が、彼らについての本を出しているが、ヴァーグが 「英語はキリスト教を広める言語なので、その本が英語に訳される事は絶対に許されない」、と主張するので、世界の殆どの人が読めていない。
ナチ統治の時代、ナチの犬であったノルウェーの傀儡政権(かいらいせいけん、Puppet Government)の首相はヴィドクン・クヴィス(Vidkun Quisling)で、ノルウェーにナチの支配を導いた重要人物であり、1945年の連合国軍によって捕らえられて銃殺刑にされ、売国奴と呼ばれる。
>>>『ヴィドクン・クヴィス;ウィキペディア、日本語 』
「ヴィドクン・クヴィスからの影響はあるか?」 ということについて、ヴァーグは、彼の祖先の一人に、Susanne Malene Qisling(1811−1891)という女性がいて、Qislingが 「それは王家の子孫からの血統という意味」 という事を述べている。
ウィキペディアから引用すると、
>>>『ノルウェー;ウィキペディア、日本語 』
『 考古学上の発見の示すところによると、ノルウェーには約12,000年前には人が住んでいた。彼らはおそらくもっと南の地域、ドイツ北部からやって来て、海岸線に沿ってさらに北上したと考えられている。
9世紀から11世紀までのヴァイキング時代が国家形成の統一運動及び拡大の元となった。黒死病などによりノルウェー王家が1387年に途絶えデンマーク配下となり・・・・・』
注; キリスト教が入ってきたのは10世紀の終わりだそうだ。
現在のノルウェーの宗教は、『 プロテスタントのルーテル教会が国教であり、国教ノルウェー教会の所属が84.9%を占めている(2006年現在)。他のプロテスタントやローマ・カトリック等の団体所属は4.7%、キリスト教以外の宗教は1.9%、人生哲学団体に所属する人の割合は1.7%である。 』
ちなみに、ヴァーグはキリスト教を宗教とみなしていない。エイズのような病気だと言っている。
ヴァーグの本名がKristian(クリスチャン、キリスト教の人という意味) というのも皮肉だ。
キリスト教は北欧を制覇したが、バイキングの伝統は根強く残った。
考えてもみよう。キリスト教に支配されたバイキングの土地に、ナチがバイキングの伝統の太陽のシンボル、スワスティカをかざしてやって来て、帰って行った後に何万人もの子供達や母親達を虐待したのはほとんどキリスト教の人達だ。
くどいようだが、もう一度書く。
『 1万4千人のノルウェー女性が逮捕され、5千人が強制収容所へ1年半入れられた。その収容所で女性たちは頭を剃られ、暴行され強姦された。
生まれた約1万2千人の子供達は全て、「ドイツ人の子」、「ドイツのクソ野郎」、「ヒトラーのクソ野郎」、「人間のクズ」、「知能遅れ」 などと呼ばれ、ナチ支配時代の象徴として迫害され、虐待の対象となった。
孤児院では動物扱いされ、暴力や性的虐待、あらゆる虐待をされた。
子供達はトイレを使う事も禁止され、バケツで水をかけられて目を覚ますまで自分の排泄物の中に横たわっていなければならなかった。
その後、孤児院を出た者達の多くが自殺し、アルコールやドラッグの依存症になった。 』
その、1万2千人の戦争の子達は、ユーロニマスの親達の世代であり、虐待された1万4千人のノルウェー女性達はユーロニマスたちの祖母の世代だ。
ユーロニマス達が悪い、とか、彼らを育てた親達が悪い、とか、メタルが悪い、という次元の問題ではないのが、わかってもらえるだろうか。
メイヘムらがただ悪びれてかっこつけているだけではない、という事も。
救われた例の、いい話もある。
世界的に有名なABBAのシンガーであるフリーダは、彼女の母が19歳の時にナチの将校と結婚し、1945年にノルウェーで生まれた。父はナチと共にドイツに引き上げた。
1947年、虐待や子供を奪われるのを恐れて、フリーダの母方の祖母がフリーダを連れてなんとかスウェーデンとの国境を越えた。母親はノルウェーの南部で少しの間働いていたが、病気になってスウェーデンのフリーダ達のところへ来たが、21歳で間も無く死亡した。
フリーダは祖母一人によって育てられ、父親は戦争で船が沈んで死んだと教えられていた。ノルウェーに残った親戚とは親しく、出生地の親戚を訪れたりしていた。
1977年、ABBAで有名になってドイツの雑誌に彼女のストーリーや父親の名前まで記載され、ドイツにいた腹違いの弟がそれを見つけ、フリーダは初めて父と再会した。
( ABBAはメタラーにも人気なので、メタルバンドによる2枚組みのABBAのメタルバージョンのカバーのアルバムもある。)
・・・Hornsの説明をしているうちに、ベルギーで通り魔が保育園で子供達を無差別に襲う事件が1月23日にあった。
犯人が白と黒に顔を塗っていたことが強調されているので、ブラック・メタルに濡れ衣を着せるのに使われるのではないかと心配だ。
この事件の英語のウィキが翌日24日にはもうできていたのには驚いた。
>>>『Dendermonde nursery attack;ウィキペディア、英語 』
ちなみに、ブラックメタルのパンダ塗りは、「コープス・ペイント(Corpse Paint)」 と呼ばれるけど、もともとイギリスではフットボール(サッカー)の試合観戦に顔を塗って行ったりするし、メタルシーンが永遠に休むことの無いハロウィーンフェスティバルみたいなもんでもある。
それと、私はKISSの音楽はぜんぜん好きじゃないけど、殆どのメタルのヒーロー達はKISSが大好きのようだ。
>>>『Corpse Paint ;ウィキペディア、英語 』
ブラック・メタルは無差別に攻撃をしたりしない。そんな意味の無いことはしない。
彼らにはほぼはっきりした、何十年、何百年にも渡る、彼ら独特の理由がある。
彼ら自身と同じ理由もないのに、彼らのただ真似をして悪びれるのは、ただのアホだ。
彼らほどの気持ちの者達が、メインストリームのハッピーなメタルやサタンのキャラで笑ったりなどできないのも、あたりまえだ。
でも・・・。 アリス・クーパーも言っているように、一生懸命頑張っているそんなノルウェーのブラック・メタルのパフォーマンスや写真などを見ると、可愛くて愛しみを込めて笑ってしまうのだけど・・・。(オリジナルのメイヘムはやっぱり笑えないけど。)
>>>『メイヘム;ウィキペディア、日本語 』
>>>『Mayhem;MySpace Profile 』
自殺してしまったDeadくんと、殺されてしまったユーロニマスくんのバージョンのメイヘムのビデオ、見てみたい人は、ここ。ただバンドで演奏してるだけで特にパフォーマンスはないですが。(これはさすがに笑えないです。)
>>>『Mayhem - Freezing Moon (Rehearsal) with DEAD and EURONYMOUS;Youtube.com』
ユーロニマスは、彼らの路線が本当のブラック・メタルで、勘違いした自称ブラック・メタルバンドが多すぎると主張した。ヴェノム(Venom)もバソリー(Bathory)も本当にEvilだった、と言っていて、メイヘムが本当のブラック・メタルだと思っているブラック・メタル支持者達は、私の大好きなImmortalという同じくノルウェーのブラック・メタルバンドは、ゲイだとかクソだとか言う。
バソリー(スウェーデン)とヴェノム(イギリス)は、最初にブラック・メタルを始めたといわれる人達のバンド。)
だけど、バソリーのクォーソンは、彼は純真な子供心のようなオバケごっこのつもり、と言っていたし(それは本当に音によく現れていて、バソリーの初期の音は特に楽しくて愛情たっぷりで元気が出る。)、ヴェノムは 「ほかのバンドみたいに、キリスト教から見たサタンのイメージをやるんではなくて、悪魔側に立った本当の悪魔の音楽を本気でやるんだ!」・・・と言ってたが、実際彼らの「ブラック・メタル」というタイトルの曲は・・・私は初めて聞いたとき、床の上を転げて笑ったほど、楽しいのだ。 ユーロニマス達が曲の間に「イエーイ!」「ロックンロール!」と叫んでるのなんて想像できない。
やっぱり、もともと、動物語で伝わる元気や楽しいところがないと、ブラック・メタルじゃないと思うんだけど・・・。 見た目や言葉(歌詞)だけでは解らない動物語で、通じる人には通じる、というのがメタルの凄いところなのだし。
で、結局メイヘム系のファンの人達はImmortalをばかにするけど、多く� �ブラック・メタルバンドのアーティスト達はだいたい、ユーロニマスとヴァーグは勝手な解釈で威張っているくせに言う事をコロコロ変えるのでマヌケだけど音楽が良いことには変わりはない、と言っている。
ノルウェーのブラックメタルで私が一番大好きなのは、IMMORTALのABBATHです。
>>>『Immortal;MySpace Profile』
ちなみに、Immortalのアバス(Abbath, Vo,G,B,rD)とデモナズ(Demonaz, G)はImmortalの前に、1988年から1992年まで、ヴァーグ(G) とOld Funeralというバンドをやっていた。1992年からそれぞれImmortalとBurzumになったが、1993年にヴァーグはユーロニマスを殺して獄中アーティストとなった。
別に、ここでメタルを広めようという気は全く無いけど(どうせわかる人にしかわからんモンなので)、
いちおう、
メタルカルチャーを覗き見できる、メタルを知らない人でもまあまあわかるように作ってくれたドキュメンタリー映画、『 メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー(2005) 』 の日本語字幕版のDVDはここ。
その中で、インナーサークルが教会を燃やした時の映像が見れるクリップはここ。(字幕付いてないけど)
>>>『Metal: A Headbangers Journey part9;Youtube.com 』
で、その続編の、『グローバル・メタル(2007)』 の日本語字幕版DVDは近日発売される予定。
そして、
英語だけど、ブラックメタルをそんなに知らなくてもだいたい雰囲気わかるかも、のノルウェーのブラック・メタルのドキュメンタリーはここから。
>>>『True Norwegian Black Metal - Part 1;Youtube.com 』
聞き取りづらいけど、マニアックなブラックメタルのドキュメンタリーのシリーズはここから。
>>>『BLACK METAL A DOCUMENTART 1/13 ;Youtube.com 』
ブラックメタルバンド本人達の証言の寄せ集めなので、一番本当だけど、バックグラウンドを知らない人にはいちいち何の事についてを話してるかも全くわからないかも。
METAAAAAL !!!!!!
とりあえずここまで書いたけど、
後でまた、ここに南アフリカの事件や、メタルと関係ないサタン崇拝の10代のカルチャーの事など、足したいと思います・・・。。
。
。
[ 2009年1月28日 追記 ]
そういえば、Headbangers Journeyでも紹介されてた様に、スプラッターもののメタルは、人間も肉の塊である事や、自分が生きていることは自分自身も肉の塊である事、また人間はスプラッターにされた肉を食べて生きている・・・という事などを突きつめたりするので、その方面のメタラーにはベジタリアンが多い!
スプラッターにされ血の滴る肉片の憎悪をあまりに突き詰めて考えることが日常なので、どんな肉でも "思い出してしまって" 食べれないらしい。
子供の時ジンバブエにいたというイギリス人の友達、リチャードもそうだった。 彼は、LedZeppelinとかCathedralとかの軟派なメタルが大大大嫌いで、彼の一番(?)好きなのはNeurosisというバンドだった。( 彼の好きなのスプラッター系バンドは私は興味なかったので覚えてないです。)
電気技師は何をするのでしょうか?
2001年当時、彼は34歳くらいだったと思うけど、彼が子供の頃過ごしたジンバブエで人間のスプラッターはそこらじゅう、何も珍しくなかったそうだ。
1993年に彼は26歳くらいだったことになる。 (26って、ぎりぎり、子供時代を卒業する頃だ。)
2001年頃にリチャードが言ってたのは、
「先祖や自分のじーちゃんばーちゃんの時にあった戦争や悲劇に自分自身のアイデンティティーを縛られるなんてバカだ。 ドイツがどーしたとかイギリスがどーしたとかそれでじーちゃんがどうしただとか。
だって、自分自身は何も実際にやってないのだから。 自分自身の生きている人生に直接関係無い事にやつあたりするのはバカバカしいだけだ。 過去の他の人の憎しみを利用して、自分の未来にわざわざ憎しみを作って自分の人生を悲惨な事にするのは、バカだ。
死んじゃった奴は死んじゃった奴で、もういない。 死んでしまった奴らの為に現在生きている奴らの人生を苦しめるのは全く馬鹿げている。 そんなヒマがあったら、他にやるべき事がたくさんあるのに。 死んでしまった人間の罪なんて俺自身には関係ない。 死んだ家族を大切に思う事と、自分が生きていく事は別の事だ。」
という事だった。
その、2001年くらいに私は28くらいだったと思うけど、私が思って言ったのは、
「・・・でも、死んだ自分の家族が大切だった人であればるほど、憎しみは大きいよね、ふつう。しかも、人はただ、何かにやつあたりしていなければならないでしょ。 それがなかったらメタルもないかも。」
・・・で、ははは。・・・となると思ったら、リチャードはムッとしてた・・・と思う。 その時の私のつたない英語が意味をなしてなかったのか、私のヘンな英語で何を言おうとしたのか考えてたのかよくわからんが、今考えると、やっぱり私の言ったことがあんまし気に食わなかったからじゃないかな。彼は自分に誠実だから。
今私も当時の彼よりも年をとり、今思うのは、やっぱりリチャードが言った事は重要だったと思う。
彼は決して、"世の中の為に何か良いことをしよう" という人ではない。
自分が責任を取れないようなことはしたくない人だから。
今私が思うのは、
憎しみを行動に移さない事は、祖父や祖母のプライドを捨てる事ではない。 憎しみを捨て去る必要もない。 ただ、憎しみで自分達や自分達の子孫の未来を惨めにする必要も無い。 しかも、殆どの場合、憎しみ合うように操作された者達は、みんな同じ傘の下の被害者たちだ。
ただ憎しみに生きるという事を決意をする人達の、最も典型的な例は、「悪魔になる」、とか、「サタンを崇拝する」 と誓って、自分自身に呪いをかける。
そして、その仲間ができたりして、グループ内で秘密をまもったり忠誠を誓ったりするようなグループを作ったりする。
それはとっても、キリスト教的な発想だ。
もともと、WitchのCoven(コヴァン、魔女の集会)も、もともとキリスト教的な発想の勘違い(=ユダヤ的発想からの洗脳、ラビとかの)から生まれたものだ。・・・今ではWitchカルチャーに浸透しているけど。
前にも書いたWickerManの映画を見てもわかるように、もともとは村中で無病息災や豊穣を祈ってのお祭りだった。 今でもスコットランドでは、ベルテーンのお祭りでベル/バアル/Baalの象徴であるボンファイアー(キャンプファイアーみたいなの)の上を裸で飛び越えるというお祭りがある。
基本的には、日本にもある、神社の火渡り と同じだ。
便利なお風呂やシャワーのなかった時代に、体につく寄生虫や害虫を焼いたり、薬草も混ぜた煙で追い払って、病気にならないようにみんなで祈る、という大切な行事だった。
それから、何で悪魔とかサタンのCovenの発想が生まれたかというと、きのうテレビでも日本の天然痘の歴史をやってたけど、村人が牛痘をわけあってたからだろうと思う。
( 注; この「土着文化は既に牛痘を使っていたのをキリスト教が悪魔教とした説」 は、どっかで読んだとかじゃなくて、色々読んだ情報を繋ぎあわせての、ただの私の推測です。)
>>>『牛痘;ウィキペディア、日本語 』
( ちなみに、ヴァンパイアや狼男がウイルスによって不死身になる、という発想も、そこから来ているだろう。)
牛痘をもらっとくと、天然痘に対して免疫ができる。
おおやけには18世紀にその効果が発見されたことになっているが、イギリスやアイルランドの土着文化では大昔から知っていたはずだ。
牛痘の菌はもともと牛にいるのではなく、主にイギリスの森の中にいる野ネズミ、特にハタネズミが持っていて、それがネコに移り、人に移り、牛に移り、人に移り・・・というふうだったらしい。
人間は10日ほどで治ってしまうので、天然痘予防の為に、かさぶたを取っておいて使ったり、牛で増やしたりの知恵があったはずだ。
赤い水ぶくれ ができる為、キリスト教の魔女の裁判では、悪魔の印としてそのような物を探す身体検査をする。(治っちゃったら痕は残らないそうだけど。)
古代から天然痘は、生物兵器として戦争で利用されていたので、権力者達にとって、一般人たちや王室たちが牛痘の技術を持っていると困るのだ。
>>>『天然痘;ウィキペディア、日本語 』
キリスト教の洗脳によって、イギリスの土着文化による牛痘での予防接種は邪教の行い、悪魔の印を授かる、とされたのではないだろうか。
日本でも、 「牛痘をもらうと牛になってツノが生えてくる」 と言う噂が広まった事もあった。
キリスト教で洗脳しておいた大昔の人に、同じことを言って脅すのは簡単だっただろう。
19世紀にプリントされたこの絵の大きいバージョンを見てみよう。 ツノが生えてるどころか、顔からも、耳からも、ケツからも、ウシが生えてます・・・。
>>>『上の絵の大きいバージョン;ウィキペディア』
1980年に、WHOは天然痘の根絶宣言をしたが、アメリカとロシアはウイルスを保管している。現在は免疫を持った人が殆どいない為、生物兵器としてまた使われたら、みんな死ぬだろうとも言われている。
そして、Brighid、Bridgit、Brigit、Brid、Bride、ブリギッド、ブリート、ブライド、とか、地方によって色々呼び名のバリエーションがあるけど、
とにかくイギリスとアイルランドで古代からの重要な 「治療の女神」 の一人、のポピュラーな姿は、「牛の乳搾りをする女性」、なのだ。
ブリギットのバリエーションのブライトというのは、英語のBright、眩しい、というのとか、花嫁のブライドの語源とかも言われるが、もともとはexalted(高貴な・身分の高い・有頂天の)という意味だったそうだ。
たいしたことはぜんぜん書いてないけど、ウィキはここ。
>>>『ブリギッド;ウィキペディア、日本語 』
治療の他に、火、鍛冶屋、詩、勉強などの女神でもある。
火が無いと鍛冶屋ができない。 そして、
彼女は家を護ってくれる女神でもあり、暖炉や炊事などの火を司る、燃える女!というとこで、アイヌ神話 の アペフチ ととても共通している。
( アペフチは「火の老女」 という意味で、囲炉裏の中とかから出てきて、村に来る悪魔とかを追い払ってくれる。
そのときは、赤い着物、6枚の着物に帯をしめ、6枚の着物を羽織って、ふりあげられた赤い杖からは焔が雨のように降るそうだ。 ちなみに、アイヌ神話で、6の連発はとても重要になっている。
ちなみに天然痘も、アイヌ神話では神として現れ、擬人化した神話があったりする。 )
( 前から、アイルランドのキリスト教は土着文化を混ぜた独特の物だと紹介してきたが、これがその良い例だ。
アイルランドでこの女神はキリスト教に取り入れられて、セイント・ブリギットになった。
>>>『キルデアのブリギット;ウィキペディア、日本語 』
そんで一般にアイルランドでは、キリスト教でも、もともとのブリギットは、今の一般の日本人がアマテラスや弁天をとらえるように、神話の女神として浸透している。 )
ブリギッドのお祭りは2月1日あたりで、Imbolcという。
Imbolcの語源は妊娠した羊の腹の事で、別名のOimelcというのは羊のミルク、という意味で、このお祭りが子ヒツジが生まれる頃であるからだそうだ。
冬が春に向かいだす季節の変わり目(節分)のものなので、地方によって日付はバラバラだ。
Imbolcは日本の年末の大掃除と同じで、スプリング・クリーニングという厄払いの大掃除をする。
厄を追い出す為に、箒で家から掃いて出すという願掛けをする。(箒が厄払いのシンボルの一つであった為に魔女と箒がセットになったのもある。)
Imbolcは、たぶん日本の節分の豆まきの厄払いと同じじゃないかなとは思うけど、年越しの大掃除も、旧暦は2月が正月だったので、よくわからない。
(陰陽道の勉強すりゃいいんだろうけど、・・・個人的に陰陽座というバンドの音が好きではないので、避けてしまう・・・。ごめん。)
Imbolcはブリギッドを祭る為に、蝋燭をたくさんつけるので、Candlemass(蝋燭がいっぱい)とも呼ばれ、・・・それは普通のキリスト教にも、イエス・キリストの誕生が冬至のYuleを乗っ取った様に、「聖燭祭(candlemass)」 として組み込まれている。
そういえば、1歳になるまでに家畜の菌に触れることで、アレルギーになりずらい体質になるそうで、現在花粉症がこんなにポピュラーなのは、人々が家畜のそばで生活しなくなったからだそうだ。
そんなこんなで、キリスト教が作った悪魔の法則は、それを利用したい人によって利用される。
南アフリカの子供達は、その勘違いの毒のせいで、あいかわらず大変なようだ。
私がイギリスにいた時、2004年頃にそのドキュメンタリー番組をよくやっていたが、現在はさらにまして大変なことになっているらしい。
また色々訳してから投稿すると、時間がかかるので、先に今日書いた分だけ投稿する。
ネットで調べただけでも、数え切れないほどの、18歳以下の子供達による悪魔教ごっこの殺人事件があがってくる。 このカルチャーはほとんど、メタルファンという事とは別物なようだけど。
とりあえず、英語がわかる人は、見てみるといいかも。
ここにつけるリンクは、ただほんの一部だ。毎年1年に14人ほどは、子供の悪魔教ごっこで子供が殺されているらしい。
もちろんメタルのせいにしたい場合もある。
で、要するに、どうやら警察も一緒になって、殺人を悪魔教ごっこのせいにしてるらしい。
子供達の悪魔教ごっこが普通にあるのは、私の夫の時代からあるのは、彼と彼の友達の経験の話から聞いているが、その内容なんて、・・・かわいいもんである。
・・・と、書き出すとまた長くなるので、もうすごい疲れたので、今日はやめとく。
[ 2009年2月06日 追記 ]
すみません。
この南アフリカでの悪魔教騒動の事ですが、土着文化、サンゴマやMuti、キリスト教に洗脳された人達の誤解、・・・とにかく複雑で、歴史も状況も複雑で、たくさん説明しなければならないし、その全容がメタルと深く関係があるわけではないので、別のページで説明します。
で、とりあえず、28日の追記の最後につけたリンクの、「やっぱりメタルのせいにしたい場合」 というやつの、スリップノット(Slipknot、アメリカのメタルバンド)の件について、
私にZeitgeist を教えてくれた南アフリカのポール・ブロムがその時にそのことについて書いてくれた、南アフリカの状況もわかる、とても良い記事があるので、ものすごく長いけど、とてもよく言い当てている素晴らしい記事だと思うので、がんばって全部訳したのを紹介したいと思います。
( タイトルのIN THE LINE OF FIREというのは、射線、銃の発砲の線の先にいる、で、射撃の的、非難を浴びせられる的、絶体絶命で撃ち殺されそうな状態、というような意味です。 )
『 IN THE LINE OF FIRE − Defending Slipknot and Extreme Music after South African school killing 2008年8月20日
by Paul Blom
[ ポールは80年代の終わりからオルタナティブなミュージシャンで、90年代後半からはフリーランスのエンターテイメント・ジャーナリストで、スリップノット(Slipknot,アメリカの最近のメタルバンド)のファン、そして南アフリカのHORRORFEST映画祭やX FEST映画祭の創設者で、X FEST は2008年9月の終わりには皮肉にも、エクストリーム(究極、過激)・ミュージック版になるだろう。
彼はまた、8月19日に、「子供達を殺しに追いたてる悪魔的音楽(evil music driving kids to kill)」 のスケープゴートの論議において専門的な意見を述べるために、24時間衛星放送ニュース・チャンネルに出演した。 ]
>>>『Paul A. Blom;ホームページ、www.PaulBlom.com 』
ジューダス・プリースト、AC/DC、マリリン・マンソン、などのケースがあったように、メタル音楽が再度、無知な宗教的アジェンダを押し進める者達や金回し屋達の為にスケープゴートになっている。 そして、それらのバンドに釘を打ち込もうと法廷に持ち込まれたケースの全てが毎回失敗したのも、何も不思議ではない。
南アフリカの町、Krugersdorpに住む子供、Morne Harmseは、2・3本の刀を持って顔を黒く塗り、数々の 「スリップノットと同じマーク」 を付けて、学校に来たと言われている。 彼はスリップノットのドラマーの様な格好をしていた、と言われている。
彼は学友達を襲ってしまい、1人が死ぬ結果になった。彼は殺人罪と故意の殺人罪に問われた。明らかな共犯者は問われなかった。
( >>>『スリップノット(Slipknot);ウィキペディア、日本語 』
>>>『SLIPKNOT Frontman Rejects Blame In Sword Slaying - Aug. 20, 2008 ;roadrunnerrecords.com、英語 』 )
彼は物静かで閉じこもりがちで、"ダサい奴" とも考えられていた、と報告された。彼が「サタンが僕にそれをやらせた」 と主張したとも言われている。
コロンバインの殺人者達も「ダサい奴ら」とみなされ、体育会系の奴ら(Jocks)にいじめられていた。
( >>>『コロンバイン高校銃乱射事件;ウィキペディア、日本語 』
生徒の両親の多くが、このコロンバイン高校の近のミサイル工場で働いているそうで、この高校生らによる銃乱射事件は、クリントンがコソボに最大の爆撃をした日に起こされた。校内で銃乱射をした後自殺した生徒達はマリリン・マンソンを聞いていた為、マリリン・マンソンも非難の的となった。 )
これは同じような報復だろうか? 時がたたなければわからないだろう・・・彼は自殺しなかったから、幾つかの質問が答えられる希望がある。
子供の為のスクール・サポート・ネットワークのPierre Eksteenが、「サタニックな音楽が、たぶん、原因」 という、古臭い惨めったらしい説明をした。
"たぶん" ・・・。
いつだって、彼らがデモニックとかサタニックとか罵るものを、彼らは理解しない・・・より保守的な性質の人々でHeavy Metal を理解できる人は多くない。
まず始めに、スリップノットはサタニックなバンドではない。
彼らはバンドのルックスや主題にダークなイメージを取り入れている。そして、自分の見解としては、それは私達が住んでいる世界を映し出している。
更に言えば、彼らのような技術と才能のあるミュージシャン達は、キャラクターを描写するという役割を演じている。アンソニー・ホプキンスがハンニバル・レクターとして映画のスクリーン上でするのと全く同じように。 連続殺人犯が被害者を食べる時、モラルの護衛達はアンソニーさんを訪問するだろうか?
これらのミュージシャン達は、殆どの私達の様に、普通の人だ。彼らの人生を生きていて、ただ、もっと特別な仕事もあるだけだ。
どれだけのハイジャック犯、殺人犯、レイプ犯達が、50Centやブリットニー・スピアーズを聞くだろうか? ジョージ・W・ブッシュは何を聞くのだろうか? 最近グルジアに侵攻した軍人達は? 彼らはベートーベンが好きだろうか? 彼らの行動からして、クレイドル・オ� ��・フィルス(Cradle Of Filth)みたいな悪魔的メタルを聞かきゃならないんじゃないか?!
もし、言い訳の立たない行動として誰かの音楽の関係が持ち出されて非難されるというなら、カトリックのキリスト教会が、愕然とするような大量の証明された幼児虐待の原因そのものになっている事を意味するだろうか?
制服を来て指をさす人々は、たくさんのHeavy Metalの細別やジャンルの分岐についても知らない。 例えば、パワーメタル、スラッシュメタル、デスメタル、ブラックメタル、ニューメタル、フォークメタル、バイキングメタル、そしてラップコア、メタルコア、グラインドゴア、インダストリアルメタル、などで、これもほんの幾つかの名をあげただけだ。
もちろん、サタニックである事を宣言するバンドもいるが、それは彼らの表現の権利であり、ゴスペルシンガーが彼らの信仰を表現する権利があるのと全く同じだ・・それでも(メタルの)ジャンルがひとまとめとして非難され、悪者だとしてレッテルを貼られる。 クリスチャン・メタルはどうだろう?同様に悪者だろうか、それともたった一つの例外だろうか? スタンダードを保持する事を宣言するなら、それらが二重になっていない事を確かめたほうがいいだろう。
普段のテレビやラジオでメタル系の音楽を見たり聞いたりする事はないけれど、でも、自爆テロの被害者達や、バカバカしいレスリング(取っ組み合い)はいつでも見ることができる・・・殆ど少なくとも1日おきに(たった10才以上という条件付きで)。< /p>
世界的な音楽のジャンルの入り口で、これと同じくらい恐ろしい行動の原因を決め付けるのは、愚直で見解が狭い。 誰もがスケープゴートを必要とし、いつもいつも、殺人犯の音楽的な嗜好がターゲットになる。殺された男の子の死を、ただバンドの音楽の副産物にすぎないとして中傷する事は、その殺された男の子の思い出に対しての侮辱だ。
時々人々はショッキングで不可解な行動をし、彼ら自身ですら説明できない・・・結果は?
"The devil made me do it ! " (悪魔が俺にそれをやらせた!)
Hansie Cronjeに聞いてみよう。(賄賂を受け取った、不名誉な南アフリカのクリケットのキャプテン)
犯人の完全な心理学的な評価がなされるまで、私達は疲れて真っ青になるまで彼の非常識な行動について無駄口をたたいたり推測したりできる。 子供(もっと大きくても)でさえ、スリップノットのCoreyが、耳の中で彼のために殺せと囁くと言う・・・それはその子自身のねじまがった精神で、バンドの説得力のコズミック・パワーではない。
道徳や宗教の団体たちがこのよけいな論争を引っ掴むのはとても悲しいことで、ただ藁をつかんで彼ら自身のアジェンダを押し進める為に扇情的な手口を使っているだけにしか見えない。
自分は80年代初めからこの種の音楽を聴いてきて、80年代の終わりからメタル、オルタナティブ、インダストリアルのバンドをやってきた・・・V.O.D.、Metalmorphosis(CapeTown)、F8、Terminatryx、そして南アフリカミュージックあウォードの受賞者K.O.B.U.S.、そして、とても良くできた・・・殺人に追いたてられた自分の友達や関係者は全くいなかった。
自分には両親を伴なったとても良いしつけがあった・・・両親は、俺達の好きなKISS、アイアンメイデン、スレイヤーやメタリカの音楽やポスターやTシャツを嫌っていたが、でも、俺達を押さえ込みはしなかった。彼らは、俺達が自分自身でいることを許してくれて、俺たちの選択を抑圧しなかった(抑圧し過ぎなかった)。 全ての子供達が、アドレナリンをまわす為や暴れるホルモンを冷ます為に、スポーツを楽しむわけではない。音楽を聴いたり演奏したり、ビデオ・ゲームや激的な映画の中に逃避したりする事によって、そうできる子供達がいる。
エクストリーム(究極)ミュージックは、セリーヌ・ディオンの様なポップ・シンガーをサポートするたぐいのコマーシャルなジャンルの意図のものではない・・・でも、� �々が忘れやすいのは、それはそれでもまだエンターテインメントだという事だ・・・そして、どのようなエンターテインメントが欲しいかというのは、自分達の選択だ・・・例えば、自分達が十字架の上で死んだ救世主がほしいのか、それとも焔の中に座っている事を好む主の方がいいのかは、完全に自分達の選択だ。
ミュージシャン達はエンターテイナーであって、貴方達の子供達の親ではない。貴方の子供達がどういうつもりなのかを知るのは、あなたの責任であり、・・・誰もが理解できるようなものではない、自分達自身の世界観を音楽を通して表現しているというようなバンドなどの責任ではない。
どれ程の、いわゆるゴスペルシンガー達がいつも、彼らが全てだが汝より神聖、という事を証明しているだろうか? それは大抵いつも金の事だ。SAMAアウォードで他の何よりもゴスペルのカテゴリーがあるという事で、それが一番儲けになるジャンルの選択だという事を証明している。(地元のメロドラマ的なRhythm Cityでさえ、ゴスペルミュージック産業で固められている・・・誰もが誰よりも腐敗している所で。)
ゴスペルのアーティスト達が乗り込んで到着するような豪華な車みたいのに、地元のメタルバンドが乗っているのを見つけることはまずないだろう(・・・それが職業でない限り。誰だって個人的に職業がある。) この種の音楽(メタル)で、金持ちになんてなれない、特に南アフリカでは。 ラジオ放送はいうまでもなく、どんなメディアもが後ろ盾になっていれば儲けはほとんどない。
見捨てられていて折檻を受ける・・・告訴人が歌詞を聞く事もなしに、大抵サタニックのレーベルを貼られる。彼らの狭い理論構成の枠組みの中で、これが「いかにも地獄の音らしい」のだ。
ごく少数のファンのベースと、悪魔のゴスペルの説教に惹きつけられるよりも追い払われる人の方が多いという音楽の形態を取るほど、デビルは見え透いてそんなにマヌケなのか?
違うよ、君達。デビルは賢くてずる賢いはずだろ、・・・彼は何か、どんな家庭でも"有効"で"無害"なものを通して彼の支配を計画するとは思わないか? Enrique Iglesiasみたいに? ヒップホップ・ミュージックは放送や子供向け番組に散らかっている、そのpimping, hustler, ho clichesなんかの全部で・・・それで、メタルバンドはそれらでどれくらい頻繁に見られる?
スリップノットよりもブラック・アイド・ピーズを聞く人の方が多い、だから統計学上でいうと、ブラック・アイド・ピーズを聞く殺人犯、レイプ犯、機能障害者達の方が多い。 誰かが殺人犯的な行動で捕まった時、ブラック・アイド・ピーズがあげられた事があっただろうか?
音楽は私達の生活の中で、交通音とも同じように、ホワイトノイズになってしまった。そして、誰かの精神を乗っ取って命令を実行するように追いやる程パワフルな一つの音楽の勢いなど無い・・・喧騒は既にそこにあり、私達を取り巻いている世界やバイオケミカル(生化学)的変則によって造られている。 もし音楽が引き金だというなら、完全に何� ��もが、誰かをキチガイの淵に押しやる触媒になるという事だ・・・タイミングの問題で。もしMorne Harmseがポケモンのファンだったら、ポケモンの帽子をかぶっていたハズだ。
メタル・ミュージックはエクストリームなエンターテイメントだ・・・ホラー映画の様に。 スケートボードやBMXはエクストリームなスポーツで、 音楽や映画のように、よく的をあてられる。それは反逆的なエンターテインメントでもあり、それを好きな人達はメインストリームになりたがらない・・でも、それを潰されたくは無いし、高い輸入の価格でそれを得なければならない。
もし映画やビデオゲームに年齢制限があったら、それは一部の人達に精神的打撃を与える可能性がある内容を含んでいるかもしれないという、単純な事だ・・・何が破壊活動的または嫌悪感をもたらすように衝撃的かを誰かが決断する正当性は、全部他の人がした� �論だ。 両親の仕事は、自分の子供達が自分自身の人生に責任が持てるほど頭が十分に発育する前に、子供の為に判断したり指導したりする事だ。 だから、もしゲームが警察殺しや殺傷を含んでいたら、たぶん、あなたの10歳の子がさらされるべき物ではないだろう!
もし誰かが精神的に不安定(例えば、社交的に、遺伝的に、科学物質的に、または環境的に作られた)なら、たとえ何がなんでもキレるだろうから、その兆候は察知されて手当てされる必要がある。エクストリームな音楽を禁止する事が人々の精神病的な症状を止める事はできないだろう。
全ては受けとめ方の感覚の問題だ・・・レコード会社の財政的な感覚が、感覚の麻痺した消費者社会の代わりに消費者達が何を聞くべきか決めている。 誰かの屁が� �イクに入ってるだけでもかまわない・・・もしそれが売れれば、彼らはそれを音楽と呼ぶ。
そして不運な事に、みんな知ってるように、悪い評判は良い宣伝で、だから、現在、今南アフリカでは誰もがスリップノットの事を聞いた事がある、どういう関係であるにせよ。
エクストリームな音楽を非難する最近のKrugersdropの騒動は、単純に、この種の挑戦的な音楽を練習して作る為に努力している人々をとても困難にする。アンダーグラウンドを非難し、ミュージシャンがエンターテイナーとして生計を立てるのを困難にしたり不可能にしたりする権利が誰にあるのだろう?
エンターテイナーとして、ゴスペル・シンガー達は彼らが欲しい販売促進を全て得て、財政的な利益を収穫する。 彼らには信念があって魂を救いたいというなら、彼らは主の言葉をタダで広めているべきではないのか? なぜ彼らは賃金を支払われる必要があるんだ? なぜ、ゴスペルのリングトーン(着メロ)や、聖書の節が携帯電話に送られてくる為に、貴方は金を払わなければならないんだ? それらの慈悲深い組織は、より良い世界を作る為に、無償で送り出さなければならないんじゃないのか?
それは神の事なんかではなく、サタンの事なんかでもなくて、結局、金の事だ。
テレビとラジオはゴスペル番組で散らかされている。 それは保証された観客と、組み込まれた正義の装いと共に来て、・・・そして もちろん、コマーシャルや宣伝からの莫大な収入も。
南アフリカの地元の電波にのっているロック音楽の番組、それか少なくとも1つでものロック音楽のラジオ放送局はあるだろうか? は! 最後のロック音楽のラジオDJ達は首にされて、追放されてキャンパスのラジオステーションに押し付けられ、あらかじめプログラムされた1次元のコマーシャルなドロドロのポップな音のなかで平板な2次元の人格達がべらべら喋りまくるという道の為に送られた。
Strapping Yang Lad のようなバンドの、音楽的な天才、才能と完全に脅威的な演奏は、いちおう、コンディションされたコマーシャルなラジオを聞く人たちの頭上を飛ぶが、それはただ邪悪だとしか思われない! 霊魂が切望するだろうものが何にせよ、若い音楽ファンの為の選択肢は、同じ陳腐なファスト・フード・ミュージックの繰り返しで爆撃されて、それを真に受けるように操作されている。 彼らは、よく構築された「消費者を作る流れ作業」の一部になり、平板な音楽産業を儲けさせ続ける。
( Zimmers Holeは、Strapping Yang Lad のサイドプロジェクトだそうだけど、Zimmers Holeの方が先にできてたんじゃないのかなあ。)
子供達(と、大人たちも)は、エクストリームやオルタナティブな性質の音楽に夢中になると、ほとんど自動的に追放され、ラグビーチームに入らない事を選ぶ。でも、この追放が、同意見の音楽好きを結びつける接着の要素にもなっている・・・それはグローバルな兄弟姉妹の同胞とさえも言える。
エクストリームな音楽に夢中な若者達は大抵、処方されて無理やり押し付けられたメディアのパッケージ以上のものを選ぶ挑戦をする、偏見のない個人達だ。そしてもし、彼らがドラッグを経験するはめになったら、不運な事にそれは多くの子供達がやる事だけど、彼らがある特定のスタイルの音楽を聴くからではない。 レゲエを聴く人達は大麻だけを経験するか? レイヴとトランスミュージックのファンはEだけをやってみ� �か? メタルヘッドに処方されたドラッグは何? スピード?
タバコの他に、最も危険な合法のドラッグはアルコールで、それは内臓の故障や交通事故のために毎年何千人も殺している。 GMとジョニー・ウォーカーは破壊の道具を製造していることで捕まるだろうか?
メタルとその誘導体は、しがみ付いて楽しむか、それとも嫌って避けるかの、音楽のスタイルだ。 だから、嫌いなら、放っておこう!
人々は子供達を放り出して、テレビのセットや保育所で育てられる様に置き去りにする。悪い親が悪い子供達を育てる(でもたくさんの者達が自分の境遇を克服する)、でも悪い種はどっちにしろ、何の音楽を聴いてもそうなる。私達は皆、二つの道のうちの一つにつたって行く癖がある。 音楽は彼らに、彼らが胸の内で感じる疎外感や怒りが何かを認識できる何かを与えるか� ��しれない。どのように幾つかのバンドが実際に、子供達が困難な時を過ごしている間中子供達を助け、自己破壊的な道からそむけさせたかという報告がない。報告された事があるのか?
すべてのティーンネイジャーが、何らかの段階で、攻撃的になる・・・幾らかの者達は、この悲劇のKrugersdropの件のように致命的だ。もし彼がケニー・Gを聞いてたとしたら、同じことをしていただろう、たぶんただ違う装いをして。
Taliep Pietersenの殺人犯は何の音楽を聴くだろう?(有名な南アフリカのミュージシャン) 何が関係しているだろう?
( >>>『Taliep Pietersen ;ウィキペディア、英語 』
Taliep Pietersenは南アフリカの有名な、ミュージカルで有名なミュージシャンでロンドンやブロードウェイでも公演をしていたが、金目当ての彼の妻によって雇われた強盗グループによって殺害された。ちなみに彼はイスラム教だった。 )
モーターヘッドのレミーが言ってたと思うのだけど、「ありそうにもないけど、もしメタルミュージックが誰かがキレて殺人の原因だとしても、その様なめったになくて珍しい件は、目立つってのには抜群だ!」。 何百万もの何百万ものメタルファンが殺しに出かけないの事を考えてみよう・・・。
もし音楽がそれほど悪で影響力があるなら、もちろん、少なくとも一日に一つは大虐殺の事件の事を聞くだろう?
社会がその悪魔を生み出す。そして80年代のラッパー達は、彼らの� ��市の中での生活の暴力的な性質を描写した。何十年にも渡って、エクストリームなバンド達は、内面的な騒乱や毎日の生活から生み出される心理的な悪魔を追い払う事に関して、同じことをしてきた、パワーとボリュームを通して・・・大抵、歌詞やアルバムのジャケットに、悪魔、モンスター、ドラゴンやデビルなどで具現化されている・・・。神話的でファンタジーな創造物だ。
もちろん、多くのブラック・メタルの行動が、サタニックなイメージや内容ばかりを伴なって出て行く。たとえ誰かがそれに没頭して自分達の現実に問題があったとしても、たぶん、馬鹿げたドラゴンボールZの漫画みたいなのを見てたとしても、彼らは同じことをするだろう!
サッカー試合のフーリガン達がいきりたって、彼らのチームがエネルギーを燃やすのを観客席で見ながら、彼ら自身は(彼らのチームがエネルギーを燃やしているのと)同じことをしない。もし彼らのチームが負けたら、彼らは暴れ出て傷害騒ぎを起こす。
メタルのライブの後、見ていた観客はモッシュやステージダイビングでエネルギーを使い果たされ、とても穏やかな夜の睡眠の準備ができている・・・音楽のエネルギーが、バンドと観客両方のテンションを放っていて、ネガティブなんかよりずっとポジティブな、象徴的な関係だ。
何件のメタルのライブ後の暴動やフーリガンの騒乱が今までに報告されただろう("Dimebag" Darrell / ダイムバッグ・ダレルのショッキングな殺人を除いて)? どれくらい頻繁にサッカー、"美しい試合" が酷評される立場に置かれるだろうか?
( >>>『ダイムバッグ・ダレル;ウィキペディア、日本語 』
・・・これもなんか、個人的に、終わってしまったパンテラも、彼を殺す事によってまだもっと売れる! という試みから計画されたような気がします・・・。 )
もし、どれくらい多くの南アフリカのハイジャック犯達が、G-Unitや、MzekhezekheやZolaのような地元のKwaito (南アフリカのパーカッションを混ぜたハウスミュージックのジャンルらしいです。)を聞くか知ったら、あなたはショックを受けるかもしれない・・・そしてメディアは何て言うだろう? 宗教団体の為のこの点についての見方がないので、彼らの落とし穴は閉じられている・・・彼らは、文明社会の全体の低下を心配し、彼らの"悪の音楽"のブランクに火をつけないようにするべきではないのか?
エクストリームな音楽は、ブラック・サバスのデビューのレコードの最初のレコード盤の溝が刻まれた時から、非難の的(under fire = 砲火・射撃を浴びせられる)になっている。 自分は現在、南アフリカのエクストリームなバンド達のコンピレーションアルバムにとりかかっているところで、そのタイトルのKopskootはアフリカ語で、head-shotという意味だ。 このジャンルへの非難の最近の復活によって、このタイトルが更に、より適切になった。メタルとオルタナティブの音楽が額面価格で頭を撃たれるという状況は変わりそうにない。Heavyな音楽へのこの新しい攻撃は、どこの店にもCDのストックを置かなくなる状況を導いて、一生懸命に曲を作ってそのディスプレイを必要としているバンドたちを追放する事を進めるのだろうか?
私達はこの様な社会に住んでいて快適だろうか・・・非難ゲームをするのに甘んじて自分達自身を顧ず、罪人に烙印を押して済んだ ので手を洗い、無知の小さいシャボン玉の中に乗って気楽に漂って行くという?
もしあなたに子供がいるのを選ぶなら、もしくはそれを防ぐ予防措置を取らなかったら、その生命は貴方が生きる最後の息まで、貴方の責任のままだ・・・彼らが一旦学校を出るまでというわけではない。
彼らとコミュニケーションをとり、彼らを養育し、彼らを尊敬と気転を持って待遇してあげて下さい。貴方がそうだったからと言って、彼らから地獄をたたき出したり、無視したり、グランド・セフト・オートのビデオゲームと一緒に彼らの部屋に閉じ込めたりしないで下さい・・・部屋に閉じこもってメタルのCDを逆回転で聞こうとするのも。
( >>>『グランド・セフト・オート;ウィキペディア、日本語 』 )
彼らと話して、参加して関って、彼らが何が好きで何を憎むのか見つけて下さい。 親であって下さい。 目的にかなう事ができる人間を形成する役割になって下さい・・・また一つの、無意味なサイクルを続けて行く生物学的有機体を造るのではなくて。
Copyright 2008 – Paul Blom 』
あー・・・。 ずっと前から訳したかったのを、やっと訳した!!! けど、急いでがんばったので、しかも長いし、私の変な日本語いっぱいあるかも。
彼がここでまとめてくれた事は、殆どのメタラー達が思ってる事で納得大賛成の事だと思います。
そんで、彼が彼のお兄ちゃんと昔からやってるバンド、前も紹介したけど、V.O.D.の、古い1999年のビデオフッテージを、2006年に、V.O.D.のアルバム発売10周年記念の再発売にあわせて、彼が編集したビデオがある。兄ちゃんのフランソワがYoutubeにアップしてくれてるのだけど、年齢制限18歳!
18歳以下には、冷静に理解するには重すぎる内容だと思うので、見ないほうがいいとは思いますが、いい年すぎた大人でも、見るのがつらいかもしれません。� �・・現実を描写するという事、またそれを見るという事に、普通はどんなに勇気が必要なのか、という事も考えさせられます。 とにかく、血や、痛そうなのや、退廃的な惨めさの現実を感じるのが耐えられそうにない人は見ないで下さい。
とにかく、これを見てドラッグに溺れたいと思うような人は、信用できるセラピーのトリートメントが必要でしょう。
Voice of Destruction (1996)- Needledive
V.O.D.は今ちょうど、リユニオン・ツアーやってます。伝説のバンド、海外まで見に行きたい人はチャンス!
>>>『Voice Of Destruction;ホームページ、英語 』
[ 2009年02月12日 追記 ]
最高にかわいいビデオを見つけたので、メタルが好きなら見てみよう!
メタルに生きていると、こうなる・・・と、ここでは紹介するべきなのかもしれないけど、・・・結局、この可愛らしさと楽しさの本当の極みはメタラーにしかわからんかも。
" Look It Bubbles In
Time With The
Drums !!! "
に注目。(ドラムとシンクロしてブクブクなる赤い泡・・・とってもメタル!な瞬間!)
それと、パート1で紹介されていたように、"ヤギのチーズ" を使っているのが重要で、それと、肉を使ってないのも、ミソ。ははは。
バックに流れている曲が全部わかるかどうかも、メタラー度を試される事になる、という事なのだけど、・・・"メタル度を競う" というのが超典型的なメタラーの癖で、その、尺度の種類はばらばらでもともと比べられるものではない、というのが前提・暗黙の了解で「俺はお前よりメタルだ!」 と言い張りあうのが一部のメタラーの重要な癖でもある。
とにかく、ホントは言ってしまってはいけないかもだけど、楽しくなきゃメタルじゃないし、なんせ、家族が重要よん。
でも思ったけど、日本には子供の頃から きもだめし とか 怪談会 とか おばけやしき とかあるから、その純真さはわかってもらえるんじゃないかな。
茂木健一郎も、恐怖感で脳が活性化するから子供が怖いものに興味を持つのには理由がある、みたいに言ってたし。
正直、他の国でメタラーが本当にどうかよくわかりませんが、このイギリスの子のビデオは、まるっきり典型的なイギリスのメタルの雰囲気だと思います。典型的なイギリスのキッチン、なつかしい・・・。
( ちなみにこの人、Anathemaが好きみたいですね。 注;私の夫が飼ってたラットの名前の一つ。)
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