"使えるスマホ"を叶えるアイテム研究所 ― 第11回
2011年12月19日 12時00分更新
編集註:本記事で触れているラジコン用バッテリーによるスマートフォンへの充電は大変危険です。絶対に真似しないでください。火災などが発生した場合、編集部では一切責任を負えません
ヘビーユーザーに限らず外付けバッテリーはスマートフォンの必需品というのはかなり認知されてきたようだ。この種の外付けバッテリーには(もちろんスマホ本体のバッテリーも)リチウムイオン充電池が採用されているものがほとんどだ。
使用される歩行ラクロス機器
リチウムイオンのエネルギー密度の高さのおかげでスマホや携帯電話、ノートPCやタブレット端末が小型・軽量化している。とはいえ、スマホの多機能化は留まる所を知らず、それにより消費電力も増え、外付けバッテリーの「大容量」=「大型化」はどんどん進んでいる。
……なんとかならんものかと調べているうちに、あるモノに行き着いた。実はリチウムイオン系充電池は情報機器以外にも電力源として重宝されている分野がある。ホビー用のラジコンだ(※1)
※1電動のエアガンにも使われている従来からNi-Cd電池を使ったラジコンの飛行機や車はあったものの、やはりリチウムイオン充電池の大容量やメモリー効果のなさといった利点は大きく、今では電動ラジコンといえばリチウムイオン系充電池が主流だ。とくに出力/重量比が重要な空を飛ぶ物の場合は顕著で、飛行機やヘリではリチウムイオン系充電池による電動機がかなりの割合を占めている。
直流電圧を低減する方法
なお、ラジコンなどホビーユースで使われるのは「リチウムイオンポリマー充電池」、略して「リチウムポリマー」、さらに略して「リポ」(LiPo)と呼ばれる。リチウムイオン充電池の電解液が液状なのに対してリチウムポリマー充電池はゲル状のフィルムなので密閉容器を簡略できるため小さく軽くできるなど利点がある。
携帯電話やノートPCなどでは主にリチウムイオン充電池が採用されているが、いくつかの製品ではリチウムポリマーも採用されている。
そんなラジコン用リポバッテリーを用いてスマホを充電することは可能なのだろうか。
ラジコン用もスマホ用もリチウムポリマーバッテリーは1セルあたり3.7Vと標準化されており、セルを束ねることで7.4V(2セル)、11.1V(3セル)といった電圧にしている。スマホの充電はUSBの5Vなので電圧を変換する必要があるのだが、ラジコンでも受信機を動かすための電圧が5~6V前後なので、電圧を変換するレギュレータというパーツが存在する。
Cv値のバルブを使用する方法
つまり、リポバッテリーとレギュレータを繋ぎ、出力側にUSB端子を繋げるという簡単なもので充電は行なえそうだ。
あくまでざっくりとした計算ではあるが、800mAhのリポバッテリーでスマホの85%を充電できる。市販されているUSB外付けバッテリーでは、1000mAh程度の製品で充電できるのはスマホの半分強程度、スマホをフル充電したいなら1800mAh程度は必要なのが一般的な点を考えれば、ラジコン用リポバッテリーのパフォーマンスは5割以上高い給電性能/容量と考えてもよさそうだ。
現在、800mAhリポバッテリーが800円程度、レギュレータは2000円前後、充電器は4000円前後(ACアダプターは別売)で購入でき、USBなどコネクター類は100円以内で収まる。だいたい7000円ほどで市販の外付けバッテリーと比較して格段に安くモバイルバッテリーを自作でき、さらには大容量リポバッテリーで大容量パワーソースの自作もやろうと思えば可能だ。
と、考えたわけだが、ラジコン用リポバッテリーは扱いに慎重を要する製品であり、スマホのモバイルバッテリーを自作するのは必ずしもオススメするものではない。むしろ、次ページで解説する危険性を加味すると、市販の外付けバッテリーのほうが単価は高くても、それ以上に安全で、扱いが便利なものだったりする。
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